銀河鉄道（Starlink G6-7）とISS

7月28日に打ち上げられたStarlink 6G-7をたまたま翌日の29日に通過するのを目撃し、その明るさに驚きました。低空のうちは飛行機雲か？と思うくらいでしたが、北斗七星あたりではしっかり銀河鉄道として見えていました。その明るさは北斗七星より明るくおそらくは1等級。
ISSの通過の直前だったし、これだけ明るければ多くの方が目撃されたことでしょう。SNSでは「銀河鉄道初めて見た！」「ワクワクが止まらない」などいくつか私のところへもコメントをいただきました。
その後も予報は出ているものの暗くなると曇ってしまい、その後は確認できていませんでした。
8月1日昼間は良く晴れていたので今晩こそ大丈夫だろうと思っていましたが、やはり夕方から雲に覆われカミナリが光っています。

この積乱雲の北側に少し雲の切れ間があり、HEAVENS AVOBEの予報を見るとそのあたりを通過していきそうです。この小さな晴れ間が本物か双眼鏡で見るといくつかの星が見え、青空の見えている晴れ間であることがわかりました。

銀河鉄道

ワイドレンズではほとんどが雲の写真になってしまいそうなので、EOS80Dに150㎜ F2.8を取り付け、初めて望遠で銀河鉄道の動画を撮ってみます。しし座のデネボラが低いところで光っているのが見えたので、それでピントを合わせて待機します。
iPhoneの「SPACE STATION AR」でも予報が出ていたので見える位置をデネボラとARで確認し、そこへカメラを向けておきます。見え始める時刻の少し前から双眼鏡で探します。
そろそろ予定時刻と思いカメラを向けた場所へ双眼鏡を向けると「いたいた！やはり予報より明るい！！」わずかに位置がずれていたので修正し、カメラの録画ボタンを押します。

カメラのモニターの中を動いていくのがしっかり見えます！「おお～楽しい！！」　2等級より少し明るい気がします。
ここまで望遠にすると連なった銀河鉄道らしさはすでにないのかもしれませんが、打ち上げ直後の密集状態なら十分に楽しめるのかもしれません。

ISS国際宇宙ステーション

その約10分後、この小さな晴れ間を今度はISSが通過していきます。

さすが明るいISS！雲に突入してもなお見えていました。
動画の前半を写真にしてみました。

実はこんなに雲ばかりの空で、カミナリが光る中撮っていました。小さい丸のところを銀河鉄道が通過し、大きい丸のところをISSが通過しました。たまたまここに晴れ間があった偶然のようなものですね。
しかしこの後、天気は急速に回復してきて東の空には満月が見えてきました。

土星の衛星

実はこの日の夜半過ぎにもう一つ期待していることがありました。
それは土星の衛星「Tethys」が土星面に影を落としながら通過します。

これを見てみたい！
そしておまけでもう一つ、衛星「Phoebe」が衛星「Iapetus」に1分角以内に接近しています。

衛星「Iapetus」は11.4等級と衛星「Enceladus」より明るく見つけやすいのですが、衛星「Phoebe」は16.9等級ととびっきり暗くて、目印が近くになければ全く捕まえることはできません。
そんなわけで衛星「Iapetus」を目印に衛星「Phoebe」を捉えるかなり無謀な大作戦！

この2つのミッションを持って12時半に目覚ましで起きて外を見るまでもなく満月の光がブラインドの隙間から入ってきています。望遠鏡は外に出してあるので順応はしているはず。
早速準備をして土星に向け、まずは衛星「Tethys」を確認しようとしても土星に近く眼視では見えない。カメラを通してモニターを見ると土星本体のすぐ左側にいるのが見えました。

よし、ここから5分間隔で2000フレームづつ撮って行こうとしたときにあたりが暗くなってきた。
「ややや！満月が怪しい雲に隠された！！」

この積乱雲のないところは星が見えているがどんどん雲が天頂に向けて上がってくる。
「速いな、ヤバいかも」と思い、大急ぎで撤収。撤収完了のわずか10秒後に大粒の激しい雨が降ってきた。今日は絶妙な判断だ！！

しかし衛星「Tethys」の土星面通過も衛星「Phoebe」チャレンジもできないままでした。
8月3日に衛星「Tethys」の土星面通過再挑戦です。
晴れていれば明け方の木星まで狙うつもりでしたが、早々に寝ることにしました。