星見を復活した20年程前は火星大接近があり、火星の近くには「火星に対抗するもの、アンチ・アーレス」がありました。それはさそり座のアンタレスで、火星が大接近する頃は近くで輝いています。
火星大接近を機に復活した当時はFS-102に高倍率を掛けて素晴らしい火星を眺め、おまけでアンタレスBも見ていた記憶があります。
ここ数年はシリウスBが離角が大きく観測の好機となり「シリウスBチャレンジ」に参加して楽しんでいます。そしてシリウスの見えない今の時期はアンタレスBが同等の難易度があるのでは?と思いアンタレスBチャレンジで楽しんでみました。
明るさ的には
シリウスの場合、シリウスA:マイナス1.5等級、シリウスB:8.4等級、離角11秒、と離角があるが光度差が大きく伴星が暗い
アンタレスの場合、アンタレスA:1.1等級、アンタレスB:5.2等級、離角2.9秒、と離角だけがかなり小さい
シリウスB
私は自宅ではセレストロンC11を使ってみていますが、空の条件にもよりますが2倍バローを入れてプロ―セル25㎜で224倍で見えてきます。
ネックになるのはマイナス1.5等級と8.4等級の光度差ですが、小口径では難しいですが「ここにあるはず」と位置を特定して凝視すると見えてくるかもしれません。
これは昨年のものですがセレストロンC11、2倍バロー、ADC、ZWO ASI290MCで撮った動画と、処理をした画像です。
アンタレスB
そしてテーマのさそり座のアンタレスですが、明るい街中でもアンタレスは見つけられると思います。
望遠鏡を向けしっかりピントを合わせます。こちらはシリウスほどの光度差はないし、アンタレスBも5.2等級と明るいので見やすいかと思います。ただこちらでネックになるのは離角が2.9秒しかないことです。それがどのくらいなのかを知るには金星のすぐ上にいる火星を見ていただくとわかるかと思います。今の火星が4秒角くらいですので350倍くらいまで倍率を上げていただいて丸く見える火星の大きさを記憶して、その350倍のままアンタレスを見てみるとその火星の直径の3/4くらい離れたところに緑色っぽい星がポツンと見えてくると思います。
これは2023年7月3日の機材はセレストロンC11、3倍バロー、ADC、ZWO ASI662MCでの動画です。
主星と伴星の光度差が小さく、尚且つ伴星が明るいので倍率さえ上げることができればシリウスBよりは見やすいように思います。幸いシリウスの時期より気流が安定しているのも味方をしてくれています。
昨日7月6日は晴れて気流も良さそうだったので、アイピースをとっかえひっかえしながら眺めてみました。
私が常用しているのは真ん中のごく普通のプロ―セル25㎜ですが、これで336倍で見るのが明るくすっきり一番きれいに見えていました。 残念ながらセレストロンのズームは少し暗くなって眠くなってしまいこの対象には向かない気がします。
昨晩は眼視ではずっと見えていましたが、PCの画面では主星の光が暴れてチラチラと見える程度でした。
これは昨日のアンタレスですが眼視ではこんな色のイメージで私には見えています。
次回はバローを入れずにナグラーズームやSV-BONYズームや7㎜前後のアイピースで見比べてみようと思います。
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