金星の雲の動き

金星
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金星は地球の内側をまわる惑星で、月と同じように満ち欠けをします。
金星がまん丸に見えるのは地球から見て太陽の反対側にある「外合」の時で、一番小さく見えるときです。

2021.5.30.

それとは反対に一番金星が細く見えるときは太陽と地球の間に来た時で「内合」になった時です。
これは金星が太陽すれすれを通過するためにこれほど細くなって見えます。
ただし、金星のすぐ近くに太陽がありますので、観測は万全の太陽対策が必要です。
この時の金星は木星よりも大きく見えます。

そして稀に金星が太陽面を通過して見えることもあります。これは2012年6月6日に見られたもので、黒い丸が金星です。次回この現象がみられるのは2117年12月11日だそうです。

さて、そんな金星ですが、分厚い雲で覆われていて地表の様子は見ることができません。なのでせめてその雲の様子を見てみたくなりました。望遠鏡で見てみると白く眩しく輝く金星の満ち欠けは良く見えますが、表面はのっぺらぼうでほとんど様子は見えません。これを見るためには紫外線を透過するフィルターが必要で、またその紫外線の像はレンズを通過すると吸収されてしまうので、レンズを通過しない反射望遠鏡を使う必要があります。これはその「VENUS-U」というフィルターを手に入れた2020年3月の金星です。

この時はこれほど写るんだ!と感動したものです。しかしミューロン180直焦点ではやはり小さいので、バローレンズを入れると模様がほとんど見えなくなるなどいろいろ障害がありました。
光学ガラスを使わない溶融石英の凹レンズを手に入れ、それをバローレンズの代わりにして夕方の空に金星が周ってくるのを心待ちにしていました。凹レンズ1枚のバローでは激しく色ズレが出るものの使えないことはないでしょう。
できれば溶融石英のADCも手に入れたかったのですが、間に合いませんでした。というわけでADCなしで撮ってみました。
5月11日薄雲もなくスッキリ晴れていたので、ミューロン180に約2倍バローと290MMで早速試してみました。
まずは可視光の金星です。

続いて赤外線IR685の金星です。月惑星研究会の惑星の達人の方々はかなり雲の様子が見えていますが、私は全くの技術不足でわずかに濃淡がありそうな程度です。

そしてこれが紫外線VENUS-Uを使った金星です。これはかなり見えていてうれしい限りです。

赤外線と紫外線の画像を合わせてカラー合成してみました。

2023.5.11.

そして今年の金星の目標は「スーパーローテーション」を確認することです。
金星の自転は243日とほとんど回っていないようなものですが、大気は4日で惑星表面を1周するほどに回転しており「スーパーローテーション」と呼ばれています。4日で1周するってことは1時間で3.75度動くことになります。金星が一晩中見えていれば1時間おきに8時間撮ってみれば回転がわっかるはずですが、せいぜい3時間が限度です。そして低くなると淡い雲の様子が全く見えなくなってしまいます。また、昼間でも金星は気つけられますので何とかなるかと思いきや、太陽が出ていると紫外線が散乱して全くダメでした。というわけで19時と20時の2回撮ってみました。

並べてみただけでは動きが全くわかりませんので、GIFアニメーションで比較してみます。

いかがでしょうか? 3.75度回転しているように見えるでしょうか? 右端近くの明るい部分がやや移動しているかのように見えます。6月4日の最大離角に向けて高度もあがり、大きく見えるので3時間分の動きを捉えて確認したいものです。

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