SV-BONY SV230スーパーズームを試す 第1報

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昨年12月にSV-BONYさんからSV230スーパーズームアイピースを試して欲しいとオファーをいただきました。
以前に「邪悪なアクロマート多連装砲」でおなじみのあぷらなーと氏が詳しくわかりやすくレビューを書かれております。下記よりご覧いただけます。

ズームアイピースSV230レビュー① | あぷらなーと
★『専門外』のレビューオファーご存じのように、あぷらなーとのお家芸といえば「邪悪なアクロマート多連装砲で市街地から星雲を撮る」というもので、天体観測の原点...

実はこのアイピースは我々の仲間の66㎝ドブソニアン使いのHさんが早々に購入しており、開田高原の最高の空で66㎝ドブソニアンで球状星団M13を見せてもらいました。そもそも66㎝の暴力的大口径の威力で球状星団の中心部まで分解する凄まじい見え方を109倍から272倍までズームして眺めるのは「未体験ゾーン」そのものでした
いつもはその日のシーイングや空の条件によりアイピースをいろいろ取り換えながら一番良い見え方を探すのですが、ズームであればどのあたりの倍率で見るのが一番良いのかすぐにわかります。
そんなアイピースに興味津々でぜひともお借りして試してみたかったのです。

早速送っていただいたアイピースをまずは眺めてみましょう。
箱を開けるとロゴの入ったソフトケースにズームアイピースは収まっています。

8㎜~20㎜まで細かく数字が刻んであります。そして望遠鏡への接続は31.7㎜アメリカンサイズでも2インチでも対応できるように2インチスリーブが付属しています。私はほとんどの望遠鏡が2インチにしてありますので、このアイピースも2インチで使います。

1月11日は朝から快晴でまずは太陽望遠鏡で試してみます。
私の太陽望遠鏡はLUNT60㎜ダブルスタックです。 そしてこの太陽望遠鏡を覗くときには周りの明るさを遮断するため冠布(カメラマンが頭からすっぽり被る暗幕)をかぶります。そうすることによって多少目が暗順応して太陽の細部まで良く見えるわけです。倍率を変えるたびに冠布から顔を出してはせっかくの暗順応がリセットされてしまうので、以前から太陽用にはハイペリオンズームを使っていました。よって今回はバーダープラネタリウム・ハイペリオンズームとSV-BONY SV230スーパーズームを比べてみます。
大きさはSV230スーパーズームの方が少し大きいですね。
実測してみるとハイペリオンズームが全長115㎜、太さ58㎜、重量354g
これに対してSV230スーパーズームの全長は140㎜、太さ60㎜、重量499gでした。

バーダープラネタリウム・ハイペリオンズーム 8㎜~24㎜で8・12・16・20・24㎜でクリックストップがかかります。見掛け視界は48度~68度で見口は4段階にツイストアップします。

SV-BONY・SV230スーパーズーム 8㎜~20㎜で1㎜ごとに数字は表示していますが、クリックストップは偶数のミリ数のところだけです。 見掛け視界は57度~72度で、見口はゴム製で立てるか折り曲げるかの2パターンです。私は眼鏡はかけないので常に立てた状態で使っていますが、これで十分かと思います。

また、対物レンズ側を見てみるとハイペリオンズームはしっかり艶消しの黒で塗装されていますが、SV230スーパーズームは銀色がそのままになっています。このあたりはやはり艶消しの黒で塗っておいて欲しいところです。私のものであれば間違いなく自分で塗装してしまいます。

まずはそれぞれ覗いてみます。
こちらはハイペリオンズームを取り付けたところです。

ピント位置は15㎜くらい。

SV230スーパーズームを取り付けたところです。

ピント位置は25㎜くらい繰り出していますが、特に問題になることはありません。
ハイペリオンズームがズームすることによってわずかにピントがズレますが、SV230スーパーズームはピントのズレはないように思われます。
Hαの単色光のせいなのか実際に覗いた時の色・明るさ・コントラストはほとんど差は感じませんが、見掛け視界の差が数字以上の差に感じられました。例えばどちらも8㎜で覗いた時に68度のハイペリオンズームは太陽がギリギリなのに対して、SV230スーパーズームは72度で太陽の周りにかなり余裕があるように見えます。
ハイペリオンズームは24㎜までありますが、20㎜にして双方比較してみましたが差は見られませんでした。
また、ゴムの見口が立っているので私にはかなり覗きやすくブラックアウトしにくいと感じました。

どちらのアイピースも見口を外すとM43のネジが出てきます。

ここにM43-M42Tネジ変換アダプターを使うとTリングが装着でき、一眼レフカメラが取り付けられます。

ではこれでHαの太陽面を撮ってみます。
比較のためISO800 シャッタースピード1/8秒で固定して撮影し、トリミングはなしです。

ハイペリオンズームで20㎜で撮ってみます。

そのまま8㎜までズームします。

少しピントがズレてますので、合わせます。

続いてSV230スーパーズームの20㎜の太陽面です。

全く同じ画像か?と思うほどです。 そしてそのまま8㎜までズームします。

おや?ピントが合ったまま大きくなっていくと思いきやズレています。

ピントを合わせると、あれ?なんだか同じ写真使ってんじゃね~の?というくらい同じですね。
 
ただ、決定的な違いがありました。
ハイペリオンズームはズームリングを回すとカメラも一緒に回ってしまい、水平に戻すためにアイピース固定ネジを緩めてアイピースごと回転させないといけません。
その点SV230スーパーズームはズームリングだけが回転しカメラはそのままでした。
眼視においては全く問題はありませんが、一眼レフで撮影する場合には大きな差ですね。

次回は月を見るのが早いか、またはドブソニアンでDeepSkyを見るのが早いか~続報を待て!!



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