紫金山・アトラス彗星 夜明け前ラストチャンス

太陽系
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C/2023 A3 紫金山・アトラス彗星です。日に日に高度が下がっていきますが明るさと尾の長さは増してきているようです。 先週1度見たけどやはり気になる!
10月1日天気予報は10月1日と2日は晴れ予報、おそらく夜明け前の彗星のラストチャンスと思われます。

10月1日

10月1日4時起床。ほぼ快晴で取りあえずは自宅マンションの階段踊り場へカメラと双眼鏡を運びます。
月齢27の月が美しい!

目印になるしし座のレグルスとうみへび座のアルファルドが見える。その2星と三角形になるあたりに紫金山・アトラス彗星入るはず。
双眼鏡ではわからないが、写真には写った。

拡大するとなかなかの彗星の佇まい!このころには双眼鏡でも尾を引いた姿が見えていた。
これはやはり標高の高い透明度の良い暗い空で見てみたい!
明日動くしかないな!!

10月2日

朝4時から起きて彗星を見て仕事をして、貫徹覚悟はチトキツイか?と思いつつも数年前のネオワイズ彗星を見損ねた悔しい教訓が蘇ってきます「彗星は見るべき時に見るべし!」
候補地はなるべく標高が高く空の暗いところで、茶臼山・御岳ロープウェイ・ひるがの高原・鈴蘭高原を検討します。帰宅して18時更新のGPV天気予報を見るとGPV先生は4つの候補地は東に雲があるかも~的なことを言ってて、三重県なら大丈夫快晴だよ~と予報を出してきた。三重県で標高のあるところと言えば青山高原か!以前われわれ「気ままに星空観望仲間」の関西東海合同観望会をやっていたところで大体の想像はつくが、早速グーグルマップのストリートビューで東が開けた場所を探してみる。

この2か所は東の視界は申し分ないが、上の青山高原駐車場は風車がたくさん立っているだけのことあって風が強そう。下の青山高原三角点も東の視界は良いが20mほど機材を運ばなければいけない、でもこのどちらかでやるしかなさそうだ。というわけで風に強く運びやすい機材を選択しました。
はじめはEM100にR200SSとBORG71FLを載せようと思っていましたが、特にEM100は重いし、R200SSは嵩張るし風が強いとブレブレになりそうと思い、Mark-X赤道儀にBORG71FLと135㎜ F2.8レンズでコンパクトにしました。70㎜15倍双眼鏡と予備でポラリエ、あとは夜明けまで暇つぶしに遊べるようにBORG45EDとトラバース自動導入経緯台を積み込みます。
そして寒さ対策の薄いダウンジャケットとオーバーパンツ。

23時に自宅を出発、名二環から東名阪へ向かいます。ところが名古屋西ジャンクションで東名阪へ向かうところを間違えて~右へ行かずに直進してしまいました。最近「出るインターを間違えたら~」って看板を見かけますがどうしようもなく次のインターで降りて国道1号線で四日市方面へ向かう羽目になりました。夜中とあって国道1号線もガラガラで無理に高速道路へ戻ることもないかと思いそのまま走りました。四日市から東名阪へ乗り、青山高原には午前1時半に到着しました。
まずは青山高原駐車場へ行ってみました。
想像通りの見晴らしのよさ、わずかに冬の天の川が見えるほどの空の暗さは申し分ないが「どうしてここまで吹く?」というくらい風が強い。
もう一つの候補地青山高原三角点へいってみることにします。
この高原道路を走っていく間に30頭くらいの鹿に遭遇し、ゆっくり走るしかなさそうでした。
途中の駐車場も入ってみましたが、東の低空が見える場所はありませんでした。
そして三角点駐車場、トイレもあってそれほど風も強くはないがそれでも寒い。

このストリートビューで見たままで、ここを台車で機材を運びます。そしてその先にはベンチがあってイスは不要というところまで事前に見てわかっていました。早速機材を運んで準備をします。
このころにはダウンジャケットを着てオーバーパンツをはいていました。

ここで1つ忘れ物! Mark-X赤道儀にプレートを載せてBORG71FLと135㎜のカメラを同架させるつもりでしたが、自由雲台を忘れてしまいました。仕方なく135㎜はポラリエに乗せました。
「ポラリエの雲台があるじゃん」そうなんです!でもこの時はポラリエにワイドレンズで例の太陽が地平線下-35度から-45度のとき現れる「スターリンクの舞」を狙っていたんです。そのため一番初めにポラリエをセットして撮影し始めたので、この時に組み替える余裕がなかったんです。
スターリンクの舞はまた後ほど確認してみます。
そうこうしていると私のあとから4人の方がいらっしゃって話をしながら彗星を待ちました。
背の高い若い方が「石川県から来ました」と言っておられ「ここまで来なくても途中で良い場所はありそうですが、私はひるがのも候補にしていました」というと、「あのあたりはこの時期夜明け前に濃霧が発生しやすくて」と言っておられました。私もここで正解だったのかも~と思いながら低空の雲と伊勢湾のモヤを眺めていました。
すると5時40分頃に「おおお~写った!尾がメッチャ長い!!」と隣にいた方が。
私もポラリエに乗せた135㎜の方を目測を付けてシャッターを切りました。

おお~!こんな低空双眼鏡で見ても全く星が見えず期待していなかっただけにビックリ!!
しかも尾が昨日の名古屋市内のものと比べ物にならないほど長い!!!
凄いなこれ!
低空の雲と伊勢湾のモヤが5度近くありそうで、その上に出るのは早くても4時50分と思っていただけにラッキーな知らせでした。
早速BORG71FLもそのあたりへ向けてみる。幸い1発で画角に入ってきた。

ちょうど飛行機が彗星の前を通過した!

このあたりでモヤから抜けただろうか双眼鏡でもしっかり見え、尾が視野の中に長く見える!!
ネオワイズ彗星の時は河川敷でわずかな時間双眼鏡で見えただけでしたが、今回はしっかり見える。
他の4人の方々にも「よろしければどうぞ~」と覗いてもらえるほどの余裕、うれしいですね~。
しかしどれだけ目を凝らせてもやはり肉眼では見えませんでした。
まだ標高と透明度が足りないようですね。
今回の場所「青山高原三角点」は標高756mでした。しかし夏の間中温められた伊勢湾と松阪市の街あかりがあるために低空を見るのは少し不利だったかもしれませんが、見事な彗星を見ることができました。
「余は満足じゃ!」
夜明だ!さあ帰ろう!!


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