昨年12月に名古屋の天文ショップ「スコーピオ」さんに新品同様の五藤Mark-Xが3台も入荷しているとの情報で早速見に行ってきました。
ありましたありました!頬ずりしたくなるようなウエイトにすらキズのない新品同様のMark-Xが3台!しかし私が気になるのはその周りの床に転がしてあるジャンクな者たち。初代アトラクスやEM-100が大好きで大切に使っている私としては同じ香りのする時代の機材たちがごろごろしているのには目移りがして仕方がない。そこにあったこの黒い箱!これは噂の御三家のアレに違いない。
まだ値段の設定もされていないとのところを無理を言って連れて帰ってきました。
今までしっかり覗く機会がなかったのですが昨晩やっと月と木星を眺めてみました。
以前に6㎝でラックピニオンの接眼部の「スーパーチビテレ」は手に入れたことがあって、3Bらしからぬ見え味(良く見えた)でこれなら使ってもらえるなと人に差し上げた記憶です。
まず手元にあった1979年の「天文と気象」にスリービーチの広告に載っていました。
箱をオープン!さてこの4㎝ F5.5 のチビテレはどんなものでしょうか~。
ほとんどがビニールに入っていて、ネジ穴を見ても使った形跡が見当たらないほどの新品同様。
対物レンズはカビもなくキレイそのもの。
アイピースは2本、SR4㎜とMH12.5㎜。
ファインダーは目印の入った素通しのものをローレットねじ2本で鏡筒バンドに取り付けるもの。20㎜のアイピースを使えば11倍程度になるので必要ないかもね~。
このチビテレ見るだけではつまらないので、BORG45EDⅡと見え味の比較してみましょう。
チビテレの接眼部をアメリカンサイズにしてみましたが、やはりこれは邪道なのでオリジナルのツァイスサイズに戻しました。そしてサイドバイサイドで覗けるように赤道儀に載せました。
BORG45EDⅡは中華製66度の6㎜アイピース54倍、チビテレにはPENTAXのO-6㎜37倍を付けて、月と木星を眺めてみました。
BORG45EDⅡは当然ですが木星の縞模様も濃くすっきりきっちり良く見え、月も同様に気持ち良い見え味です。
チビテレはまず無駄に厚さのある鏡筒バンドを一番締めても鏡筒がずれてくるほどでしたので、フエルトを余分に1枚挟みしっかりしました。このあたりが3Bらしくてワクワクします。
付属のMH12.5㎜で覗いてみるが、倍率が低すぎるのでペンタックスO-6mmに替えてみる。
接眼部が摺動式だけでは微妙なピント位置がわからないのが残念。木星は緑から赤に派手に色がつき、一番色ズレが少ないあたりでピントの山と判断して何とか縞模様らしい感じが見える。
これをレジスタックスでウェーブレットを掛けると木星らしくなります。
こちらは3Bチビテレです。
BORG45EDⅡはこんな感じです。
その差は明らかで気持ちの良い見え味です。
月を撮ってみました。まずはチビテレ。
BORG45EDⅡ
木星の写真を見るとチビテレの頑張りが見えますが、眼視ではもっとはるかに大きな差があります。もう少し倍率を上げるとより差が出てくるのでしょう。しかし定評のあるBORG45EDⅡと御三家スリービーチチビテレは対極の見え味の差はやはりおもしろいです。決していい加減なものを作っていたわけではなく、おそらく当時の天文少年の心をくすぐるものだったはずです。その証拠に私の記憶の中にしっかり焼き付いていたもので、ケースを見ただけでそれとわかるほど魅力的でした。
また以前にパノップのニュートンも興味半分で手に入れましたが、三脚が干渉して天頂に向けられず、そして三脚の開きが少なく天頂近くへ向けるとひっくり返るなど散々な望遠鏡でした。それでもまあまあそれなりに良く見えていた記憶です。
御三家と言えどひと手間加えることで、まあまあ使えて、まあまあ見えちゃうのが愛嬌があってより楽しめるお遊びの望遠鏡なのかもしれませんね。
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