暑くもなく寒くもなくゆったりと月面を眺めるのは良い季節になってきました。
私が月面を眺めるときの手引書はこの「月の地形 ウオッチングガイド」。
それぞれの月齢の見どころが案内されていてとても参考になります。
そして月面図を見ながら眺めるのはやはり正立像であってほしいと思い、鳥取の「メガネの松本」さんにEMSを1つ送ってもらいました。 松本さんには十数年前にFS-102BINOを作っていただいたときにはじめてお会いし、その後も双望会でお会いしていました。 久しぶりにメールをしたところすぐに組み上げていただき2日後には届きました。
そしてもう一つはやはり両目で見たいと思います。
以前はFS-102BINOを使い、40㎝ドブではデンクマイアのDenk2を使っていましたが、紆余曲折いろいろあってどちらの双眼視の手段も手放してしまいました。現在手元にあるのは「SKY ROBER」と言われる安価な双眼装置に2インチ2.3倍の合焦レンズが付けてあります。この双眼装置にこれまた安価なSV-BONYの30㎜アイピースを取り付けるとC11では215倍になり、月面散歩にはちょうど良い倍率になります。 見かけ視界も50度と狭いですが結構気に入っています。
月面を眺めてみましょう。
この写真はC11にZWO ASI174MMで撮ったものです。
月は度の月齢でも見どころが満載ですが、中央に見えるアルプス谷、条件が良ければこのアルプス谷の中央に細い中央溝が見えるのだとか。また、その左側に見えるプラトーと言われるクレーター、内部は滑らかなツルっとした感じに見えますが、実はいくつかの小さなクレーターが見られます。
アルプ谷の右側に2つ縦に並んだクレーターは上がアリストテレス、下がユードクソスです。
中央やや下にはカッシニというクレーターがあり、内部にカッシニA(15km)・カッシニB(9km)2つの小クレーターがあります。
アペニン山脈は月面で最も目立つ山脈で高度6000mもあるそうです。この山脈を縦走する気分でゆっくり眺めているとゾクゾクしてきます。
そして左下にはすぐに目がいってしまうクレーター、コペルニクスです。
中央にまっすぐの線が見えると思います。これが「直線壁」と言われる絶壁です。
高低差300mですが長さ134㎞もあるそうです。グランドキャニオンは高低差1600m・全長は450㎞と3倍以上の大きさを誇ります。しかしこの直線壁は見る価値は十分です。
そして月面南部のこのクレーターの多いところで私が好きなのは中央左の方にあるクラビウスです。大きなクレーターの中に小さいクレーターがポコポコポコっとだんだん大きくなるように並んでいるのが楽しいです。その上部にはティコがあります。この写真ではあまり目立たないクレーターですが、満月になると輝くように光条を放って一番目立つクレーターになります。
月の北東部のこのあたりの地平線も私の好きな場所です。秤動によって見えたり見えなかったりするフンボルト海があり、写真中央やや上に暗斑が2つあるアトラスというクレーターがあります。もう少しこちら向きになった時に見るとヒヨコの顔のように見えてホッとする場所です。
C11に3倍バローを入れてカメラをZWO ASI290MMに替えて強拡大でコペルニクスを見てみましょう。
シーイングがあまり良くないのでボケた感じになってしまいました。
プラトーの内部の小クレーターを見てみましょう。
小さなクレーターが5つほど見えました。
最後はここアペニン山脈の横にあるハドレー谷です。
ウネウネっとした谷の左の先端部の深く大きくなった谷のすぐ左側にある小さな亀裂が「Taizo」という名前の亀裂です。
そうなんです!私の名前が月面にあるんです!!(ただの偶然ですが~) ぜひ気流の良い日に高倍率で見てみてください! ああ~すっとした!これが言いたいだけでこれだけ書いてきました(笑)
せっかく望遠鏡を出したので火星も眺めておきましょう。この時すでに6.5秒角まで小さく遠くに離れてしまいました。
しかしまだ子午線の湾が正面に見えていることが十分にわかります。
この火星とコペルニクスを同じ拡大率で撮っていましたので、比較するとこんな感じでいかに火星が小さいかわかります。
月面や惑星を見るときはやはり成立がわかりやすくて気持ちよく見えると思います。
そして松本式EMSは銀メッキのミラーが使われていて光のロスが少なく非常に美しく見えることを改めて確認できた気がします。
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