HSTハッブル宇宙望遠鏡の月面通過の予報がありました。
3月14日5時57分22秒と日の出のわずか8分前とほぼ青空の中での現象です。ISS国際宇宙ステーションほどの明るさであれば双眼鏡でも十分に見えますが、さすがにHSTハッブル宇宙望遠鏡を青空の中で見るのは難しそうです。
約100mの大きさのISS国際宇宙ステーションですら800kmを超える距離で撮影するとほとんど形がわからなくなりますが、全長13mのHSTハッブル宇宙望遠鏡を1000km離れたところから狙うとなると、うまくいってなんとなく長さがわかる程度、もしかするとただの「光の点」になってしまうでしょう。
そして空が明るいので近赤外フィルターを使って撮影してみます。フィルターで暗くなる分を少しでも口径でカバーするためにC11を準備して5時30分に目覚ましを掛けました。
目覚ましが鳴って起きると快晴ですが、すでに星が見えないほど明るくなっています。
早速南中を過ぎた月へ望遠鏡を向けようと5㎝ファインダーを覗きながら望遠鏡を動かしていると視野の中にはまだ星が見えている。そして月へ向けてピントを合わせます。
このあたりで待ちかまえれば月の上の何もないところを通過していくHSTハッブル宇宙望遠鏡が見えるはずです。
5時55分から時報を聞き、57分から録画を開始します。
PCのモニターを見ていると予報通り57分22秒あたりで一瞬で通過していくのが見えました。
実際の映像がこちらです。
見えましたか? 小さくて速くて良くわかりませんね~。
ではスローモーションでもう一度。
なんだか羽ばたくように通過していくのが見えました。
これはおそらく高度が27.8度と低空のためかなり気流の影響を受けているためと思われ、月面を見てもその揺らめきがわかります。
写っていたフレームを比較明合成して1枚の写真にしてみました。
かなり揺らめいており、1つ1つの形が全部違うように写っていました。やはり1000km離れた先の13mのものの形の判別は無理なようです。
しかし月面すれすれを通過していくHSTハッブル宇宙望遠鏡を捕らえただけで十分早起きした甲斐があり楽しめました。
沖縄あたりだと天頂付近を通過するタイミングもあるので、そのときに狙ってみれば~もしかしたら何とか形を捉えることができるのかも~。
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