以前、JR勝川駅前観望会に来られたPTA役員の方が「子供が夢中になって月面を見ている姿を見て感動しました。この観望会を小学校でPTAのイベントとしてやっていただけないでしょうか?」と声をかけていただきました。
「気ままに星空観望仲間」の面々は「とにかく人に見せるのが大好き!」で観望地でも誰彼かまわず声をかけて望遠鏡を覗かせるというような人たちです。もちろん断るわけもなく二つ返事でOK!
ましてや子供たちに少しでも宇宙への興味が湧くお手伝いができるのであれば、そんな嬉しいことはありません。
事前準備
9月中旬に観望場所の下見を兼ねて小学校を訪れ、教頭先生・PTAの皆さんと打ち合わせをしました。その時は夏の大三角など星空の解説をしつつ土星・木星・月を見てもらいそれらの解説もします前提で、5人で対応できるのは200人程度でMAX300人とお伝えしました。
そして日時は晴れの特異日と言われる11月3日18時から20時、念のため予備日を11月5日と決定しました。
「全校生徒を対象に募集し、200人を越えたら抽選にして人数を絞ります」とのことでした。
以前名古屋市内の小学校の観望会をお手伝いした時は高学年だけに絞ってもかなりの応募だったよな~と思い一抹の不安を抱えていました。応募者多数で予備日まで使ってやってほしいなんて言われることはないよね~と冗談を言っていました。
ところが、10月21日の締め切りで報告がきた人数は188組600人超、しかもその人数全員でできないだろうか?と冗談が現実になりそうな展開に!
もしかしたら月だけとかにしなくてはいけないのか???
1人1天体見るのに30秒かかったとして~3天体で~600人と考えると必要時間は900分、これを5人でとなると望遠鏡1台当たり180分かかることになります。マジでえらいこっちゃ!!
それを伝えると「無理ですよね~やはり抽選で減らすしかないですよね~」と大変残念そう。
PTAの皆さんがいろいろ努力の結果でこれだけの応募があったわけなので「なんとかしないと~」と変な責任感で仲間内のライングループに「HELP!」を出したところ5人が応えてくれました! それに私の友人1人を加えて11人の体制が整えられそうだ。 (1人怪我で10人になりました)
これなら180分のところが90分になり光が見えてきました。
そして皆さんにゆっくり見てもらえるよう開始時間を30分早め、しかも見る天体を木星をはずして「土星と月」の2天体としていただきました。これならよほどのことがない限り何とかなるでしょう!
そして全体を眺めて何かあったときの対処のため、私の望遠鏡を教頭先生にお願いをして私が星空の話をしながら全体を眺めていることにしました。
話す内容は「夏の大三角」「星空ナビの実演」「土星の輪と衛星タイタン」「月のクレーター」「11月8日の皆既月食」これらについてしゃべることにしました。
亜熱帯天文台様よりご提供いただいた「かいき月食スケッチ用紙」と私の定番「天体望遠鏡覗きました証明書」も参加生徒に配ります。
そして念のため曇ったときの対応として「光る月」と「土星の動画」を準備します。
この光る月と土星の動画を映したPCを校庭の端に置いて望遠鏡で見るとこれはこれでウケるはずです。
これで準備万端、これで問題なく何とかなるはず!
星空観察 当日
11月3日さすがに晴れの特異日!朝から快晴で寒くもないし何の問題もなさそう。機材を積み込んで皆さんより一足先に現地に到着します。
教頭先生やPTAの皆さんがいろいろ考えて準備されたのでしょう、この望遠鏡は「土星」こちらは「月」とすぐわかるようにパイロンに張り紙をして望遠鏡の台数分準備してありました。通路にLEDランプが付いていたり、スタッフがわかるようにビブス(薄いベスト)、並ぶ時間が長くなった時に退屈しないよう、クイズも用意されていました。
パイプ椅子には感染防止のためのアルコールが置いてあります。
その後続々とメンバーが集まり、総勢10人で受け入れ態勢は整いました。
一時に人が集中しないようできれば低学年は17:30~、高学年は18:30~にご協力くださいと事前に通達が行き届いていたようで、それほど行列が長くなることもなく我々も余裕を持って案内ができたと思います。
そしてこれはMさんが用意してくれたプロジェクターで、事前に撮影した月面・木星・土星の動画を投影し続け大好評でした。
そして私はというと~PTA会長が30分ごとに挨拶をされ、その後に10分~15分ほどヘッドセットを付けて少しカッコつけて、気持ちよく星の話をしていました~(と思っているのはきっと私だけ~)しらんけど。
参加者の皆さんからは「土星が写真を見ているようにはっきり見える!」「タイタンが見えた」「うお~凄い、月は眩しい」「本当に月ってぼこぼこなんだ」「木星も見たかった」「もう一回星の話はされますか」などいろいろな嬉しい反応をいただきました。私の下手な話にも付き合っていただけた皆さんにも感謝です。
そして子供たちは夜の学校が楽しくて友達と遊んでいたいのは十分にわかるのですが、走り回らないよう、月と土星を見たらなるべく速やかにおかえりいただくようにお願いもしていました。それもあってか予定より15分早く終了することができました。
撤収後、メンバー8人で餃子の王将で心地よい疲れとやり切った感に満足してお疲れ様会になりました。
いつも声をかけると必ず助けてくれる気ままに星空観望仲間のメンバーに本当に感謝しかありません。
おかげで今回も私が一番楽しんでいたのは間違いなさそうです。
改めまして教頭先生とPTA会長、PTAの皆さん、我々が皆で楽しめる機会をいただき、ありがとうございました。
予定の3天体を2天体に変更したり、スマホで月のクレーターの撮影も取りやめにしてしまいましたが、次からはこの人数でもそれなりに寄り満足してもらえる対応ができそうだと少し経験値が上がりました。でも観望中は写真を撮ることをすっかり忘れていました(笑)
どこからか依頼が来ないかなぁ~。
コメント