フィールドスコープを覗きながら時報を聞きます。
「間もなく午後5時59分20秒をお知らせいたします~ぷっぷっ」
「1.2.3~くるぞ~」と心の中で思った瞬間、白く輝くISSが視野の上から現れ月の中心あたりを通過して下へ一瞬で通り抜けました。
485kmで57秒角と木星よりかなり大きく見えていますが、なんせ一瞬なので形を確認している余裕はなく「大きいのが予定通り通過した」だけです。
眼視では毎回そんな感じですが、カメラはどのように記録できているでしょうか。
BORG71FL+1.4倍テレコンバーター、EOS80D
まずはBORG71の動画を見てみましょう。これは時報も一緒に記録されていますので音量にご注意ください。
この動画を比較明合成した写真でISSの通過位置を確認してみます。
中心線から170mほど離れていたためか~わずかにど真ん中をはずしていたようです。
FC-125、ZWO ASI174MM+ProPlanet742
このセットが今回のメインとしました。前日にこの組み合わせの画角を確認し、ProPlanet742という近赤外フィルターを入れてコントラストアップを狙いました。
さあ、どんな写りでしょうか~まずは動画から。
どうでしょう?見えましたか? これがISSが通過していく実際のスピードです。
月の光っている部分のうえをわずか0.66秒で通過しています。これではやはり速すぎてしっかり形がわからないので、写真にしてみましょう!
ISSの形がしっかりわかるかと思います。
しかし日没前の明るい青空の中なのに夜の月のようになってしまいました。
記録としてはやはりBORG71FLのようにカラーでバックが青い昼間らしい方が良さそうです。しかし夜ならフィルターありでコントラストを上げるのも良いかもしれませんね。
ちょっと見栄えのするところを拡大してみます。
月の縁にかかる直前の1枚なかなか「カッケー」と思います。
ミューロン180、ZWO ASI290MM
実はカメラを間違えて持ってきてしまったため、仕方なく強拡大になってしまいました。
本当はQHY174カラーのつもりで、FC125の2倍程度の拡大でカラーのつもりでした。ところがセンサーサイズの小さい290MMを持ってきてしまったためこんなに拡大になってしまいました。
よって一か八かで3つ並んだクレーター「プトレメウス」「アルフォンスス」「アルザッケル」あたりを通過すると予想して、ここで待ちかまえました。
結果はわずかにズレて通過し、このカメラは玉砕でした。直線壁が見えなくなるくらいまで左に寄せていれば~デッカイISSがとらえられていたかもしれませんね。それに備えてシャッタースピードも0.3msまで上げていましたが、残念!
最後に、通過前にフィールドスコープで月を見て、撤収中にも結果を気にして聞きに来てくれて虫取り少年の兄弟とお母さん~無事に結果は残せましたよ~。本当は大きい望遠鏡で月を見せてあげたかったんですが、見るためのレンズを持って行かなかったので、ごめんなさいね~。
次回からは「いきなり観望会」に対応できるように準備をしていくことにしよう。
コメント
おはようございます^ ^
早速昨晩、子供と読んで3人大興奮でした〜
こんなに一瞬の出来事だった事に驚きです!
そしてむちゃくちゃ綺麗な写真に感動です!
あの日帰ってからも子どもは図鑑を取り出し
ISSの絵を描いたり、宇宙人や星の事を思いのままに話し
素敵な時間を過ごす事が出来ました。
ありがとうございました☆
こんにちは~!ブログを見ていただき、コメントもありがとうございます。
おお~そんな帰ってからも話題になれるなんて最高にうれしいです!
私も子供のころは虫取りばかりやっていた小学生のころにたまたま友達の家で望遠鏡を覗く機会があり、それから星のとりこになりました。
大学生になった頃から子供が大きくなるまでは中断していましたが、20年位前から復活して仲間たちと楽しく星を見ています。
子供のころにたまたま望遠鏡を覗いたことに始まり、今でもいろいろ感動しています。
そのようなきっかけができたらいいなぁと思い、望遠鏡を覗いてもらう活動もしています。
またどこかでお会いできると良いですね~。