タカハシ SPACE BOY 赤道儀

天体望遠鏡
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ある方の遺品としていただいたこの赤道儀SPACE BOYもさすがタカハシがいっぱい詰まっています。
EM-100同様に古い赤道儀ですが、私の元に来た時には新品同様の極軸望遠鏡もないオリジナル状態でしたので、使いやすいよういろいろ手を加えてきました。
まず必要なのは極軸望遠鏡、しかし今となってはメーカーや販売店にもオプションパーツはなく、中古品が出てくるのを気長に待つか、メーカーに現在販売中のものをSPACE BOY用に作り替え依頼するしか手に入れる方法がなかったわけです。
たまたま手元にビクセンのGP用極軸望遠鏡がありましたので改造して無理やり取り付けて使っていました。
その後、CATさんで中古品が出てきたのでレベラーと合わせて手に入れ、きれいに収まりました。

極軸望遠鏡の明視野照明は東京スターベースさんで純正品を見つけて手に入れました。

続いて変更したのは使いにくいタカハシの木製三脚。オーストラリアが木製品の持ち込みが不可なのでケアンズ日食のタイミングでアルミ三脚に変更しました。

そしてここがすごいところです! バランスウエイト軸が変な角度でついているのがわかりますでしょうか?  南緯16度のケアンズでは極軸の角度も16度になりバランスウエイト軸が三脚に干渉してしまいます。 そんなことも考えてこのSPACE BOYは作られており、ウエイト軸の取り付け位置が30度傾けて2か所にあります。SPACE BOY以外にこんな配慮がされている赤道儀はほかに見たことがありません。

30度以下の緯度で使う場合にウエイト軸の取り付け位置が変えられるのは画期的!

また、バランスウエイトを軽くするために軸が延長してあります。これはコスモ工房さんで大急ぎで作ってもらいました。
またウエイト軸の先端についているのは世界中どこに行っても手に入るであろうペットボトルに水や砂を入れてバランスウエイトの代わりにするために取り付けるテレスコ工作工房さんのパーツです。
どちらも少しでも荷物を軽くしたいときには非常に役に立ちます。

この赤道儀は赤緯軸の取り外しができ、極軸体だけにしてカメラ三脚に載せるためのネジ穴があります。

赤緯軸が付いていたところはこのようなプレート状でカメラネジが2本出ており、ボール雲台を2つ取り付け2台のカメラを搭載可能なポータブル赤道儀に変身します。
三脚をもっと短く扱いやすいビクセンのガイドパック三脚が使えるようにするため、コスモ工房さんでアダプターと固定ネジも作ってもらいました。

これでほぼ完成形になったと思います。ただ、このアダプターはアルミ製ですがやはり余分な重量ですので、赤道儀の底面を削り、直接三脚に乗るようにしようかと思っています。
あともう1つ、モータードライブが単1電池4本駆動なのも重いため、単3電池4本で動くように電池ボックスを作りました。これでも2晩くらいは十分動いてくれます。


このSPACE BOYは海外の皆既日食3回とも持っていき、他にもいろいろ載せても十分耐えてくれるし、最近ではミューロン180を載せても大丈夫なことがわかりました。

SPACE BOYはちょっと不格好ですが使う人のことを考えて作られた素晴らしい赤道儀だと思います。
赤道儀本体と三脚など1式をこんな道具箱に入れて持ち運びができ、ミューロンクラスまで搭載して単3電池4本で駆動する、私にとってはほかに置き換わることができない機材の一つになっています。

コメント

  1. 石川 良平 より:

    いつもアドバイス有難う御座います。今朝5時半 元気村の駐車場隅の木の上、ギリギリ低空でオメガ星団見れました。課題の電波銀河、m83 m4565も見れ、最後さそり座の球状星団も見れ
    やっと落ち着いて寝れます。大満足でした。

    • Taizo より:

      こんにちは、お疲れ様です。
      それは良かった!元気村でも空の状態が良い時はオメガは肉眼で見えますがいかがでしたか?
      しかしやる気満々で寒さも何のそのですね! 無理しないよう頑張ってください。

  2. 石川 良平 より:

    オメガは分解して見えましたが、低空で明るく肉眼では見えませんでした。自分的には、M13より小さいですが、球状ではM5が明るく一番綺麗に感じました。YouTubeでTaizoさんの出られてる極上ライフ見ました。Taizoさんは、あそこに出てくるトラス式の50,60cm級を導入される予定はありますか?自分は、いつか欲しいと思っています。

    • Taizo より:

      私は今の40㎝が限界ですし、スケールダウンを考えているくらいです。
      私を含めて気ままのメンバーは高年齢化しておりますので、もう十年もすると手放す人がいるかも~ですね。
      コメント一部修正させていただきました。

  3. 石川 良平 より:

    確かに、重量が重くなりますね。66cmの方のを見てて思いました。

    • Taizo より:

      主鏡・斜鏡共に年に1回くらいは外して洗浄しますので、それを考えるとやはり40cmくらいが限度です。
      積み下ろしもスロープが必要なので、こういう大きいのは仲間が持っていて覗かせてもらうに限ります。
      そういう意味でも我々は贅沢な環境にあるんです。

  4. 石川 良平 より:

    本当にそうですね。私も主鏡が早くも汚いので、そろそろ初掃除してみます。

  5. […] 私が気軽に星空を撮るときにはポータブル赤道儀「ポラリエ」を使います。 以前に書いたタカハシのSpaceBoyの極軸だけを使えば同じ働きはするんですが、軽量コンパクトだし形が美しく持ち運びが楽そうということで発売された2012年ころに購入しました。これだけあればとりあえず星が線にならずきれいな天の川も撮影できます。 […]

  6. […] ベランダに初代アトラクス赤道儀を据え付けてあり、出したり片づけたりの手間がなく、極軸を合わせる必要もなく大変便利で活躍してくれています。ただ太陽望遠鏡などの小型の望遠鏡を使う時には関取が幼稚園児を抱えているようで「なんだかなぁ~」だし、バランスウエイトを全部取り外してE-ZEUSの準備がちょっと面倒かもと思うようになってきました。というわけでほとんど使うことなく眠っていて出番待ちのタカハシのSpaceBoyに活躍の場を与えることにし、しっかり極軸を合わせた状態で設置するためにピラー脚を作ることにしました。 あちこちホームセンターをまわり、いろいろな方法を考えつつ最終的に一番安いであろう四角の鉄柱ピラーに決めました。ビバホームで75㎜角で長さ1mの鉄柱と、M12の60㎜ステンレスボルト・M12の20㎜ボルト・M12長ナット・角座金、M6の120㎜ねじとナットとワッシャー、1/2インチねじ2種類を購入、合計1800円カインズホームで30㎝角のコンクリートマスとインスタントセメント20㎏を購入、合計1500円材料はこれくらいで、あとはうちにあるもので何とかなりそうです。 […]

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