「おかえりはやぶさ2観測キャンペーン」に参加をして、我々の星空観望のホームグランドの元気村を「はやぶさ2」の観測地として登録し、「はやぶさ2」の軌道要素を提供していただきました。
「はやぶさ2」は「小惑星りゅうぐう」のサンプルを持ち帰り、それを入れたカプセルを地上に向けて12月5日午後14:30ごろに発射し、その後方向を変えて新たな目標に向けて旅立っていきました。
そのカプセルを発射したのちの「はやぶさ2」フライバイ(接近通過)を捕らえようというキャンペーンです。日本惑星協会から送っていただいた軌道データをPCに入れ、望遠鏡で自動導入で捉えようと準備し「いざ出陣」。
「はやぶさ2」に「おかえり!お疲れ様! いってらっしゃーい!」というために元気村に集まった気ままに星空観望仲間のメンバー7名、私は撮影機材のみで20㎝F4と7.1㎝F5.6の2台を載せた自動導入の赤道儀をセットしました。「はやぶさ2」が通過する好条件の1時間をピンポイントで撮影するために、時計をすべてしっかり合わせ、赤道儀の水平や極軸はいつも以上に気を使ってセットしました。
月が昇ってくる前に2つの彗星をテストで導入してみました。C/2020 M3 アトラス彗星と156Pラッセル・リニア彗星です。
どちらも画角のど真ん中に導入できましたので、セッティングに問題はなさそうでした。
まずは「はやぶさ2」が行ってサンプルを採ってきた小惑星りゅうぐう(予報光度16.6等級)を捉えてみようと望遠鏡を向けましたが、残念ながらこの観測地の空の明るさではまったく捉えることができませんでした。
そうこうしていると月が昇ってきて周りが明るく見える星の数がかなり減ってきました。
12時ころから撮影を始めます。合わせてWさんの40㎝ドブソニアンで通過地点を先回りして眼視でとらえようと何度もトライします。
1時になってもそれらしきものは写りません、ドブソニアンの視野にも入ってきません。
1時半近くになるとだんだん焦り始め、多少のずれがあるのかもしれないと、1分先を狙ったり、3分先を狙ったり試してみましたが、「はやぶさ2」が地球の影に入る1:57になってもついに眼視で見ることはできませんでした。あとは見えなかったが写真に写っていることを期待しながら「はやぶさ2」に「いってらっしゃーい!」と手を振りました。
2時過ぎには撤収です! 望遠鏡もPCも夜露でベタベタになり凍りかけていました。
片付けが終わった2時半過ぎには車の屋根やフロントガラスが凍ってバリバリでした。
翌日写真に期待しながら見てみましたが、残念ながらまったく写っていませんでした。
これは1:57:10の写真で、本来ならここに「はやぶさ2」が地球の影に入り、スーッと消えていくところが写っていて大感動の1枚になるはずでした「あ゛~残念!」。
何が悪かったのだろう?といろいろ考えた結果、現地で彗星の導入は問題なかったので、「はやぶさ2」はこの望遠鏡を向けた位置を通っていなかった。Twitterを見ると皆さん問題なくとらえられているので、私に問題があるのは間違いなさそうです。ということは軌道要素をもらうために登録したとき観測地の緯度経度を間違えたのではないだろうか? たしかにリターンを押す前に数字の再確認を確認しなかったような。多分原因はこれだな!
より空が暗い三重県の海岸で観測していた星仲間の宙歌さんからメールで「はやぶさ2」の見事な光跡が届きました! ご本人の了解をいただき、掲載させていただきました。
「はやぶさ2」は6年前2014年12月3日に打ち上げられ「小惑星りゅうぐう」に到着し1度目のタッチダウンでサンプルを採取し、次はインパクターを発射して人口クレーターをつくり2度目のタッチダウンでクレーターの底のサンプルを採取し、地球に持ち帰りました。
「初代はやぶさ」は満身創痍で地球にたどり着き、そのまま大気圏に突入し感動的な最期でした。
「はやぶさ2」はサンプルの入ったカプセルだけを地球に届けて新たな探査に向かうためそのままと旅立っていきました。
私は見ることも捉えることもできませんでしたが、計画が予定通りの大成功だったことに感動しました。 カプセルの中身の分析結果と、新たな目標に向けて旅立った「はやぶさ2」が次に見せてくれるものを楽しみにしましょう。
コメント
お疲れ様でした。
今回は残念でしたね・・・
差し支えなければ1時半頃の写真の元データを見繕ってメールしてもらえますか?
炙り出してみます。
見事な写真をありがとうございました。
今日帰ったらお送りします。
で、出てきたらそれはそれで困るんですが(笑)
ちなみにお送りした写真は確実にはやぶさ2なのですが、22時50分頃に観測した衛星は北斗20号で有る可能性が濃厚になってきました…(汗)
同時刻に半田でも観測情報があったのではやぶさのフレアだったのか検証を始めて発覚しました…(汗)
目下、検証を続けております…
その時間に光っているのは、高度が高く同じような軌道だったってことなのか~。
わざとフレアを起こすようにすれば皆が空を見上げて楽しいイベントになりますね!