完成形のCSS「天宮」

人工衛星
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CSS中国の宇宙ステーション「天宮」に11月30日に3人の宇宙飛行士を載せて打ち上げられた「神舟15号」がドッキングに成功。完成形となった「天宮」が名古屋上空しかも天頂付近を通過するチャンスが巡ってきました。

17時23分 西の空で見え始め、17時28分過ぎに天頂付近の仰角85度を通過し、その時のCSS「天宮」までの距離は392kmと強拡大には絶好の条件です。

大急ぎで帰宅して準備ができたのが17時過ぎで望遠鏡が順応する時間がない。屈折にしたほうが良いかも?と一瞬悩みましたがいつも通りミューロン180をセットしました。

ちょうど月も見えているのでピントを合わせるも、どこでピントが合っているのかわからないほどユラユラだし、肉眼でもベガが激しく瞬いているし、北風も強く、狂(強)拡大には最悪の条件。
しかし見え始める位置を確認すると、ぎりぎり雲を避けて上がってきそうで、それだけはラッキーです。

ほぼ垂直に上がってくるので70度くらいまでは経緯台で楽に追いかける! そこから先はいつも運しだい。
見え始める時間から12㎜ワイドレンズで光跡を記録します。ISO800でF2.8を4まで絞り、1秒露光の連写です。それを比較明合成したものがこちらです。

まだ見えている夏の大三角のアルタイル寄りを通過しています。 そのアルタイルの左側に明るい人工衛星のフレアが光っていました。このフレアよく見ると1機だけではないかもしれません。

ゆっくり高度を上げてきて、30度くらいになったところで狂(強)拡大の録画ボタンを押して追跡を開始します。
望遠鏡のファインダーを覗いて十字線に乗せるように追跡しますが、この日のCSS「天宮」はオレンジ色に輝き非常に美しく見えていました。たまにファインダーから目を離し肉眼で見ても火星のように赤く見えていました。
天頂に近くなるほど見かけのスピードがあがり、視野の中を星がどんどん通過していくのがまた楽しい!しかしその頃にはもうなかなか十字線に載せられなくなり、追跡を放棄して肉眼で見送ります。
そしてすぐにマンションの上階に隠れてしまいました。

さて、その結果はいかに~。
撮ったフレームは約18000、その中で写っていたものは約7000フレーム、それを半分に間引いて60FPSで動画にしてみました。

「う~わぁ!なんじゃこりゃあ~」酷いな~。ピントも、シーイングも、温度順応もまるでダメだ!!
なんとか形はわかるものの全然細部が見えてこない!
これは失敗作でした~せめて1時間前には準備しないとこんな結果になります。ただ、望遠鏡は順応してもシーイングばかりはなんともなりません。冬の間は透明度は良いですが惑星や人工天体には辛い時期になってしまいました。
ちなみにC11もファン全開で準備をしていましたが、鏡筒の温度17度・外気9.2度がほぼ順応するのに2時間かかりました。そして木星を見てみました。

木星正面に大赤斑とエウロパの影があり、木星の右にはエウロパ、左にはイオとガニメデが見え、ガニメデが木星に近付いていきます。なかなか素晴らしい光景で眼視では美しい!!しかしシーイングが悪すぎるし強風で望遠鏡も揺れ写真は無理っぽいので、記録としてこの1枚で終了。

最後の悪あがきで小口径の屈折で赤外フィルターを使って月を撮ってみましょう!
アトラクスのバランスウエイトをすべて降ろしてBORG71FLを載せて月に向けてみます。ウエイト軸だけでバランスが取れて、強風でも全く揺れないのが笑えます。

極悪非道のシーイングの中ではやはりキレが悪くて細部は見えていませんね~今日は終了です。
火星が最接近ですが残念ながら諦めて明日以降に多少なりとも気流が改善することを期待します。

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