今年の2月に名古屋の天文ショップ スコーピオで昔の高橋製作所のP型赤道儀とビクセンのこれまた昔の赤道儀をジャンクで手に入れました。前者は微動ハンドル1本分程度の金額、後者は未使用に近い三脚と三角板がついてクランプねじ1本程度の金額でした。ついでにガイドマウントもお買上!
ビクセンの赤道儀は樹脂製のウォームホイールでこれはたぶん使うことは無理なのでオブジェにするとして、P型赤道儀はきれいで動きもスムーズだし何とか復活させたいと思っていました。
このP型赤道儀は前橋誠至堂製のアリミゾ取り付けアダプターが付いているのがラッキーでしたが、実用化するには、バランスウエイト軸、1軸モータードライブ、高度調整ねじを何とかしなければなりません。そんなわけで工作いっきま~す!
バランスウエイト軸
P型赤道儀のウエイト軸のネジはM12ぽいし、この古いビクセンのウエイト軸もM12のような気がするので、ねじ込んでみると2回転くらいしてそれ以上は入らない。ということはビクセンはM12並目(P1.75)、P型赤道儀M12細目(P1.25)かと思い念のためM12細目のタップが手元にあったのでねじ込んでみると、おかしい?入らない! もしかすると高橋製作所の赤道儀の三脚架台の下に止めるネジと同じ1/2インチなのか? ならばそれを確かめてみよう架台下ボルトを外してねじ込んでみるも、やっぱり違う! 幸いSpaceBoy赤道儀があるのでそのウエイト軸をねじ込むとちゃんと入りました。不思議です、一体このネジは何だろう?
仕方がないのでSpaceBoyのウエイト軸をもってホームセンターへ行き、ネジの一覧で確かめてみます。
ありました!なんとM12(P1.5)なんてものでした!! M12って3種類のピッチがあるのか~知らなかった。
そうと分かればM12(P1.5)はおそらくホームセンターでは手に入らないのでネジのデパート伊正産業で50㎜2本お買い上げ~¥600。これで何とかなりそう!
何とかする方法は2つあって、1つはφ20㎜の鉄棒があるのでそれに穴をあけM12(P1.5)のタップを立て、伊正産業で買ってきたネジをねじ込んで頭を切り落とす。タップはアマゾンで¥1,000弱で売っていました。
もう1つの方法は¥500のビクセンの古い赤道儀のウエイト軸を流用し、M12並目の長ナットに伊正産業で買ってきたネジをガスバーナーで真っ赤に熱してピッチは違うが力で無理やりねじ込みます。そして急冷して頭を切り落とせばサイズ変換アダプターのようなものができます。
その両方を試すために2本買っておきました。
とりあえず2つ目の案で作ってみたのがこちら。
バランスウエイト軸はとりあえずこれで何とかなりそうで良しとしましょう。(長ナットに残ったシールの糊ですが、ホームセンターの糊がべったり残るバーコードシールをキッチリ貼るのはやめてほしい!たくさんあるときはホント剥がすのが大変!せめて弱粘着のユポシールを使うべき)
1案目は重いウエイトが必要になった時のために休みのうちに作ってみましょう。
とりあえずはこのビクセンのウエイト軸とウエイトを使うことにします。
モータードライブ
このP型赤道儀の赤経軸のウォームホイールは144歯なので、SkyWatcherのEQ-5の1軸用モータードライブが同じ144歯で使えそうです。早速スコーピオで注文し、3日ほどで手に入りました。¥9,900と激安で、安い割にコントローラーは使いやすそうで、クラッチもついています。電源は6Vで単1電池4本の電池BOXが付属しています。
おや!取り付け方法もビクセンGP赤道儀と全く同じですね~いいのか~?(笑)
さて、これをどうやって取り付けるかそれが問題です。
30㎜幅5㎜厚のアルミ板が先日のフィールドスコープの時の残りがあるので、これを使ってみます。
アルミといえど厚さが5㎜もあると簡単には曲がりません! まずは曲げたい箇所にヤスリで1㎜程切込み溝を入れます。後は平タガネを溝に当てて金づちでたたきます。
もう少し切込み溝を深く削ればタガネを使わずとも曲げられると思います。
ほぼ直角に曲がったら次は穴あけです。
まずはモーターについている金具をはずして穴の位置決めをします。
モーターの金具は5㎜バカ穴で、90度に曲げたアルミプレートは3.2㎜の下穴をあけタップでM4ネジを切ります。
これを組み立てます。
私は図面は書かずに出来上がりが想像できれば作れると信じて、すべて現場合わせです。よって作る途中からでもどんどん仕様変更しうまくいけばOK、たまに失敗もします。
そのせいかネジなどを買いに行っても長さがしっかりわからず、いつも3種類くらい買うことになり、今ではうちに売るほどネジが貯まってしまいました(笑)これが役立つことが多々あるのですが~。
さて、このモーターを取り付けるのに赤道儀本体に穴をあけるかどうかが迷うところです。2か所穴をあけネジ止めした方が良いのは間違いないのですが、超強力両面テープで止めてみることにしました。
ギアのかみ合わせを見ながらモーターを赤道儀本体に貼り付けます。 これでどうにもダメな場合は赤道儀に穴をあけて取り付けます。
次は赤経軸の高度調整ネジを作ります。
コメント
初めまして。いつもTwitterではお目にかかっています。高橋製作所製P型赤道儀!!懐かしい。大学生の時アルバイトして買いました。その後就職して90sを買うまで使いました。ただただ懐かしいです。
ケニ屋さん ようこそお越しくださいました! 私もTwitterは常に拝見しております。
当時私は到底タカハシには手が届かずビクセンのニューポラリスと自作のポタ赤でした。
40年以上経過した今見ても良い出来栄えの赤道儀だと思います。
ただ、極軸望遠鏡が付いているのに角度・方位調整ネジがないのが当時きっと残念だったのではないかと思われます。
角度調整ネジがあるだけでおそらく搭載重量も増やせたはずですね。
いじっていても楽しい赤道儀です!