愛知県の知多半島の先端近くの高台に桜公園があります。 ここは冬の寒い時期に山へ行くのはつらいときにたまに利用していました。ここからだとカノープスが高い位置に見ることができます。
12月14日に当初打ち上げ予定だったスペースワンのカイロスロケット2号機ですが、強風のため15日に延期され、15日も強風のため12月18日に延期されていました。
その12月18日は前日のGPV天気予報では風も強くなく、雲も全くない打上げ日和の予報でした。
快晴ならば愛知県から見えるかもしれない!
行先は知多半島の桜公園と決めていました。桜公園からは富士山を見ることができ、またここから富士山とカイロスロケットの射場がほぼ同じくらいの距離で見えたらおもしろいと思えたからです。
前日17日の夜は快晴で気流も良く、木星の大赤斑が良く見えていました。 明日は間違いなく打ちあがるだろうと思って準備をしていました。持っていくのは70㎜15倍の双眼鏡とそれを載せるZERO経緯台、手持ちの30㎜6倍の双眼鏡、カメラはEOS80Dに200㎜の望遠レンズと三脚と比較的軽量な装備です。 久しぶりにISS友Mさんとも合流することにしました。
ところが18日朝起きると名古屋市内は曇っているし、透明度も良くない! 回復傾向にあるのでとりあえずは行ってみようと8時半に出発しました。先日朝中部国際空港へ行くときに名古屋インターの分岐あたりと、名古屋南ジャンクションでかなり渋滞をしていたのでそれを見越してやや早めの出発です。
途中Mさんから「曇ってるけど行くんですか~?」「もう出発しちゃったよ~」と連絡を取りながら10時頃に現地着。
以前は古いトイレとベンチが3つほどあるだけの公園でしたが、なんじゃこりゃ~!
管理されているであろう地元の方々が寄ってたかっていろいろやってる感満載でラミネートした案内がそこら中にベタベタと貼られている。
中に入ってみると家庭用のトランポリンが3つも劣化した状態で置かれているし、室内用のジャングルジムやテーブルまで置かれている。 子供が大きくなってもう使わないから持ってきた~とかウチにあっても使わないから~って持ってこられた感じが見てとれました。
でもね~かなり劣化していて危険なので事故が起きる前に撤去したほうが良いですよ!
公園の先の方へ行ってみます。
こりゃまた凄いなぁ~展望台に観光双眼鏡まで設置してある! 100秒100円だそうです。
これは良いですね、どこが見えているのかよくわかります。
そしてこのあたりに雪をかぶった真っ白な富士山が見えるはず! なんですが双眼鏡で見るとあるようなないような。やはり透明度が良くないです。
ロケットが打ちあがるはずの南西方向も雲が多く、伊勢湾対岸の三重県の山が霞んでいてとても見える気がしません。
さて、ロケットが無事に打ち上ればどのあたりに見えるのか、Mさんがきっちり調べてくれていました。北を0として216度あたり、iPhoneのコンパスでその方向を確認します。
この真ん中あたりから白い煙が弧を描いて見えれば大成功なんですが~。
双眼鏡とカメラをセットしてYouTubeのライブ配信を見ながら待ちます。
「打ち上げまであと10分」といったところでMさんが「ライブ配信タイムラグがかなりありますよ!」
確認すると「ホントだ!30秒も遅れてるわ!!」
これはまずい、ライブ配信で打ち上げを見てその後ロケットを双眼鏡で探すと、実はもう飛んで行ってしまったあと~になりそうです。 Mさんが時報を鳴らしてくれ、これで安心です。
1人だったらこれは気が付かなかったかもしれません。
さあ時報は11時ちょうど、ライブ配信はやはり30秒前でカウントダウンをしています。
打ち上げ後10秒もすれば見えるはず~と双眼鏡で探しつつ、無事に打ちあがったか結果を見るためにライブ配信をちょいちょい見ています。
ライブ配信で打ち上げ成功を確認し、実際はかなり高いところまで来てるはずのロケットを探すが煙も何も見つからない。
ISS友Mさんと「ああ~残念、やはり雲が多すぎるのと透明度の悪さが敗因だね~」「途中で爆発でもすれば見えたのかもね~」としゃべりながら撤収し「昼飯にしよう、内海食堂でもいきますか」と言ってエンジンをかけてテレビが映ったところで
ミッション達成困難と判断し、飛行中断措置のニュースが!
ええ~!!まさか!!!ライブ配信は途中で止めてしまったので全く知らなかった。
検索しても飛行中断措置と出るだけで詳しいことがわからない。
まあ帰るころには原因も判明するだろう。
それより腹が減った・・・内海食堂は定休日らしく豊浜のまるは食堂へ行ってみるも休みで、近くのおさかな広場の食堂で日替わり定食にエビフライを追加して美味しくいただきました。
午後に開かれた記者会見では、打ち上げから1分20秒すぎにロケットの1段目にある、燃焼ガスを噴き出す「ノズル」と呼ばれる部分の動きに異常があり、機体の姿勢にも異常が起きたことを明らかにし、その後もロケットは飛行を続けたものの、設定した飛行経路から外れたため、打ち上げから3分7秒後、ロケットの2段目の燃焼中に自動で飛行を中断する措置を取ったとのことでした。
結果としては残念ですが、今まで不足していた貴重なデータが集まったことと思います。それらを分析・改善することで次回以降の成功に役立つものと思います。
私の知多半島から見ることができなかったことも経験値として次回以降に役立つことでしょう。
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