2月11日の惑星

土星
スポンサーリンク

最強寒波が日本列島をすっぽり覆って日本海側や北海道に記録的な大雪を振らせていましたが、ようやくそれが抜けた2月11日(建国記念日)スッキリ晴れていました。翌12日は天気が崩れ「春一番」が吹くかも~との天気予報でした。この条件ならシーイングはある程度期待できるはずと日没前から望遠鏡を準備していました。ところが北西風が非常に強くフードも飛ばされてしまいそうでフードなしで温度順応していました。

まだ太陽の高度が10度以上もあるにもかかわらず、すでに青空の中に金星が見えていました。「あのあたりに~いるはず」と6倍の双眼鏡を向けるとあっさり見つかり欠けているように見える。そしてその位置を肉眼で見てみると青空の中に白い金星が見ることができます。そして1度見えてしまえば次からは比較的簡単に見えるようになります。

金星(Venus)

ちょうど今くらいが金星が一番明るく輝くときで、その明るさは-4.9等級にもなりまさにヴィーナスのごとく美しいものです。その姿は望遠鏡で覗いても眩しくて実に美しいです。
想像通りシーイングもまあまあ良さげだ。

これから金星はどんどん細く大きく見えるようになり、3月21日に内合を迎えます。今回の内合は太陽と金星の離隔が比較的大きく観測しやすいかもしれません。ただし、すぐ近くに太陽がありますので細心の注意が必要なのは言うまでもありません。

土星(Saturn)

金星を見た後は土星を導入します。金星より低い位置にあるためなるべく高い位置で見ておきたいものです。ファインダーでもまだ見えてこないので、E-ZEUSの力を借りて自動導入します。

アイピースを覗いてみるとバックが明るく、その中に土星は白くかすかに見えている程度。カメラに切り替えても存在がわかる程度でしたが5分、10分と経過するとだんだんはっきり見えてきました。

土星の輪は眼視ではまだしっかり太い線に見えていますが、写真だとかなり暗い感じです。
3月24日には輪の角度が地球から見て0度となるために全く輪が見えなくなりますが、その前の3月13日に合となり、この「輪の消失」は見ることができないでしょう。しかし明け方の空で見えるようになるときっと細い輪に串刺しになった土星が見えるでしょう。そして11月25日頃には良い条件で「輪の消失」が見えることでしょう。

木星(Jupiter)

20時頃に天頂付近にある木星へ望遠鏡を向けます。つい「おお~!」と声が出てしまいました。大赤斑と大きな衛星の影が見えていました。

この真っ黒の影の大きさからしても太陽系最大の衛星ガニメデの大きさがわかります。
そしてガニメデ本体はどこにいるか~というとここです。

そしてこれを撮影しているときにちょうど木星の前を飛行機が通過しました。
一瞬で通りすぎてしまうので4倍スローにしてみました。

木星の前を何か巨大なものが通りすぎ、その後排熱によるモヤモヤが通って行きます。
この動画を1フレームごとに分解し、それらしきところを取り出してみました。

シャッタースピードを見ると6.2msで109FPSで撮影していました。このシャッタースピードではとても止められなかったわけですが、想像すると初めに機首あたりで一度隠れ、その後主翼に隠れ、ジェットエンジンの排熱でモヤモヤに乱れるって感じでしょうか。
ある程度しっかりした予報が出るISSの惑星面通過はいろいろ経験していますが、予報のない飛行機の惑星面通過は以前の火星のときから2度目です。

このような偶然の楽しい出来事は大歓迎です!

天王星

木星の少し西にいる天王星も見ておきましょう。
美しい青い球です。実際に眼視で見るともう少し黄緑色っぽく見えます。

これだけではおもしろくないので露光時間を2.5秒、ゲインもググっと上げて衛星を撮ります。

4つの衛星は出てきましたが、さすがにこの程度のシーイングではミランダは無理でした。

火星

21時になり火星が天頂に近くなってきたころには体がかなり冷えて「早くお風呂に入りたい!」状態でしたが、もう少しだけ我慢して火星を見ます。
アイピースを覗くと白い極冠と黒く大シルチスが目を引き、おお~よく見える!
寒さを忘れそうなくらい楽しい~でもやっぱり寒いわ!!
フリップミラーを切り替えて大急ぎで撮影して終了~。

見えていた地名は火星くるくるで見るとこんな感じです。

21時半撤収!

コメント

タイトルとURLをコピーしました