SV-BONY SV230スーパーズームを試す 第2報

天体望遠鏡
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1月18日は移動性高気圧にすっぽりと覆われ穏やかに晴れ、シーイングが良いだろうことが容易に想像できる天気図でした。それでも期待を裏切られることもしばしばありますが~。
折角のチャンスなのでSV-BONYさんからお借りしているSV230スーパーズームで木星がどのくらい見えるのか、シリウスBは見えるのかを検証しました。
惑星に特化したアッベオルソやモノセントリックなどのハイコントラストをうたったアイピースが手持ちにないのが惜しいところです。

使う機材はほぼ惑星専用としているセレストロンC11です。それにExplore Scientificのテレセントリック系のバローレンズ、銀ミラーを使用した松本式EMSを使います。焦点距離の短いアイピースであればバローは必要ありませんが、8~20㎜のズームのため使うことにしました。 テレセントリック系のバローのためアイピースとの間に光路長の長いEMSを挟んでもほとんど倍率が変わらないのがありがたい。
スマイスレンズを配置した超広角アイピースにバローレンズを組み合わせるのはどうかとは思いますが、今回はあえて使ってみました。
フォーカサーは重い機材でも確実に引っ張り上げる電動のムーンライトフォーカサーを装着しています。

木星対決

まずは木星を撮影してシーイングを確認します。

真冬の今の時期としてはかなり良いシーイングと思われ眼視でも期待ができそうです。
いろいろ野暮用があって南中を過ぎた22時半頃から始めました。
早速、SV230スーパーズームで一番低倍率になるよう20㎜280倍にして覗いてみます。

視野の中にはこんな感じで木星と衛星が3つ見えていました。 木星を頭が揺れないよう座って頬杖をついてじっと覗きます。空気の塊が通過していくのがわかるくらいすごくよく見えるときとほとんど見えなくなるくらいにぼやけるときがあるが、良く見えるときはほんとうにウジャウジャとコントラスト良く縞が見えてくる。
口径が280㎜のC11では280倍がちょうど適正倍率かと思いますが、勝負はここから上の倍率です。
2㎜ずつクリックストップがかかりますので、18㎜、16㎜、14㎜・・・と非常にわかりやすい。
とりあえずは最高倍率になるよう8㎜までズームして700倍まで上げてみる。

見掛け視界は広くなっているが、木星と衛星イオが視野の中にいるだけでした。 さすがに木星も暗くなり、どこがピントの山かかなり怪しい。この程度のシーイングでは無謀な倍率でした。

どのあたりがちゃんと見えるのかとゆっくり倍率を下げていくと14㎜400倍くらいでしっかりピントも合ってよく見える。その間はピント調整は必要なくピントが合ったまま倍率が下がっていきます。ズームも固すぎず柔らかすぎずちょうど良い感触です。
13㎜であればイーソスとオールドナグラーがあるのでSV230スーパーズームも13㎜にして少し比べてみます。

SV230スーパーズームを13㎜430倍にした時の視野の中は木星と両端に衛星イオと衛星エウロパがギリギリで見えていました。

松本式EMSのスリーブとSV230スーパーズームの鏡胴の太さがピッタリでおさまりが美しい。
シーイングにムラはありますが、良くなった時にはコントラスト良く素晴らしい木星面が見えています。大赤斑や衛星が木星面を通過していないのが惜しい!

イーソス13㎜に付け替えて覗きます。

100度の圧倒的な見掛け視界のためSV230スーパーズームの20㎜で見ていたように衛星3個が余裕で視野の中に納まっている。そして木星本体も同じくらい良く見えている。

オールドナグラー13㎜に付け替えてみる。

やはりこの80度くらいの見掛け視界が私は一番のぞきやすいと感じます。そしてこのオールドナグラーの視野の中にも衛星3つが収まっています。

肝心な3つのアイピースの木星面の見え味ですが、私の目ではほとんど差がわかりませんでした。念のため安価なプローセル12.5㎜でも見てみましたがやはり差がよくわかりませんでした。ただアイレンズの小さなアイピースよりはこれら3つのアイレンズの大きいアイピースの方がはるかに気持ちよく楽に覗ける方が良いのは間違いないところです。
そしてやはりズームのメリットの大きさがよくわかりました。

シリウスB対決

では難物のシリウスBはどうでしょう。

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ZWO ASI290MCを取り付けて確認すると、いつもよりはシリウスBを検出するのが難しい感じがしました。
どのくらいの倍率で見えてくるかSV230スーパーズームをぐりぐり回して探してみるもどの焦点距離でも見えてこない。 過去の経験から400倍くらいが一番見やすいはずなのでオールドナグラー13㎜430倍でも確認してみる。しかし残念ながら見えてきませんでした。
ではシリウス本体の見え方を比べてみましょう。比べる相手はExplore Scientific9㎜ 100度のアイピースです。

このアイピースも私のお気に入りで、40㎝ドブソニアンではよく使う1本です。 しかし622倍はさすがにちょっと無理でどこがドンピシャのピントかわかりませんでした。

SV230スーパーズームでもやはり同様ですが、「おや?少し明るいか?」と感じ、少しピントをずらしてみてもやはり明るいかも!と思いました。ほんのわずかな差ですがこれは意外でした。
実はSVBONY SV215 3㎜~8㎜プラネタリー ズームをナグラーズーム3㎜~6㎜と比べたときにもそう感じました。この時は黄色っぽく見えるナグラーズームに対してSV215プラネタリーズームは白っぽく明るく見えていました。これについては以前のブログでまとめていますので、ご参考までに。

さて、次はこのSV230スーパーズームが最高に役立つであろう月面観望、または超広角アイピースよりは視野が狭いことが不利になるかもしれないDeepSky、このどちらが先になるかわかりませんがレポートさせていただきます。


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