12月2日は快晴で風もなく惑星日和でした。
ISSに通過前に大急ぎで帰宅してまずはミューロン180を準備しました。
ISSの追跡はタカハシのTG-L経緯台を使いますが、その前に金星を見るために赤道儀に載せました。
金星
ISSの通過まで少し時間があったので金星の雲を撮影してみます。
「VENUS-U」という紫外線透過フィルターを使うため、屈折望遠鏡などの光学ガラスを通らない光学系を使い、バローレンズも溶融石英のレンズを使います。というわけで反射光学系のミューロンを使います。
その組み合わせでこのような金星の雲の写真が得られます。
もっと金星の高度があるときであれば1時間差くらいで撮影するとスーパーローテーションと呼ばれる雲の動きがわかるはずです。
赤外写真と合わせてRGB合成してみると~わはは、なんか凄い色になってしまった。
これは今後の検討課題です。
同じ望遠鏡のままカメラをカラーに交換して可視光でも撮っておきました。
すっかり暗くなった雲一つない空でポツンと金星が輝いています。
土星
ISSを見送った後は望遠鏡をC11を赤道儀に載せて温度順応します。ファンを回したままで夕食後に温度計を見ると望遠鏡の内外の温度差は0.8度になっていました。
順応もそろそろ良さそうなので望遠鏡を土星に向けてみます。
まずは200倍ほどで眺めてみると、ほとんど揺れもなくシャキッとした土星が視野の中に浮かんでいました。フリップミラーをカメラに切り替えて撮影開始。
土星本体に比べて輪がかなり暗いが、カッシーニの間隙が輪の両端ではしっかり見えています。
赤外線フィルターで撮っても同様です。
CH4メタンバンドで撮ると土星本体よりも輪の方が明るく写ります。
12月になってもこのくらい気流の良い日がたまにはあります。
このチャンスを逃すわけにはいかないので、南中頃の木星も見てみましょう。
木星
赤緯の高い木星は22時半頃にマンションの上層階の影から出てきます。そこから1時間ほど待って上層階の壁から離れたころ合いを見て望遠鏡を木星に向けます。
衛星エウロパが木星面を通過するのは事前にわかっていましたが、アイピースを覗くと木星に接触直前という感じでした。そしてエウロパの影はすでに木星面に落ちている!
大急ぎでカメラに切り替え、ADCを確認して撮影開始。
撮影中にPC画面を見ていると時々透明のアメーバが通っていくかのようにモヤモヤと木星面がほとんど見えなくなるほどボケるときがありました。上層階のお風呂の熱気かエアコン室外機の影響かわかりませんが建物に近い時はよくあります。
もう少し続けると大赤斑が出てきますが、あすも仕事なのでこのあたりでいったん切り上げて少し寝ます。望遠鏡などはそのままにしておきます。
火星
木星を切り上げた後、目覚ましを5時にセットしてベッドに入りました。
目覚ましが鳴る前の4時半に目が覚め、バルコニーに出てみると快晴のまま冬の星座が西に傾いていました。望遠鏡にカバーもかけていませんでしたが、露が降りることもなくそのまま火星に向けることができました。 南中を過ぎた火星は素晴らしい見え味! 極冠は白く光り、黒い大シルチスが正面にある!!そしてすぐ近くに暗い星が衛星のように見えている。 そうだ、そろそろ衛星が写るかもしれない!
じっくり眺めた後、撮影。
火星の一番下にいつも明るく見えるヘラス盆地が見えていますが、ここもかなり明るく白く見えていたのが印象的でした。少し雲が発生しているように見えます。
そうこうしていると空が明るくなってきて、星が消えていきます。
12月3日の日の出は6時44分、さあ出勤の準備をしますか~。あ~やだやだ。
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