2024年7月25日午前6時半頃に月齢19の月に土星が隠される土星食がありました。
前回の土星食は10年前の9月28日の昼頃にありました。実は10年前の土星食の時は標高が高い方が見やすいと判断して前日から気ままに星空観望仲間メンバー10名ほどで星見もかねて御岳へ向かっていました。
9月27日の朝スーパーで10人分の夜食・朝食の買い出しをして名古屋インターへ向かう途中車内のTVに「御岳噴火」のテロップがチラッと見えました。「えっ!まさか!!」と思った瞬間に電話がかかってきました。先に現地に到着していた三重県のIさんからで「来てはダメです!前が見えないほどの火山灰で、道路も雪道のように滑ります!!」とのことでした。「おおお!えらいこっちゃ!行き先を茶臼山に変更するので、何とか無事に下山して!」とは言ったものの、まだ信じられません。ネットで検索すると確かに噴火してしまったようで、他のメンバーに「茶臼山に変更」と連絡して私も茶臼山に向かいました。Iさんも無事に下山でき茶臼山にたどり着くことができ、本当に良かったと思います。少し噴火の時間がずれていたら大変なことになっていたかもしれません。
この2014年9月27日の御岳噴火は戦後最悪の火山事故になり58人の死亡と5人の行方不明とのことでした。改めて亡くなられた方々のご冥福を祈ります。
数年後に御岳ロープウェイの社長のKさんからも「あの時は大変だった~」と話を聞きました。
そして茶臼山に変更した我々は快星の星空の下で一晩星見をして翌日「いざ土星食!」。
40㎝ドブソニアンで一度は土星が見えたものの、その後見つけられなくなってしまいました。そしてすでに月に隠れてしまったのかどうかも分からないままでした。
今見ても抜けるようなクリアな青空でしたが、月齢4と太陽に近いのが敗因だったのでしょう。そしてその後、公園管理者らしき人がきて「何を打ち上げてる?許可はとっているのか?」といわれ、これは天体望遠鏡で~土星が~と説明するも理解されず、もめるのは何かとまずいと判断して「すみません、撤収しますので」と土星の出現を確認することなく撤収をした記憶です。
これが前回10年前の土星食の忘れられない記憶です。
というわけで今回こそどうしても見たかったわけです。
ウェザーニュースは曇り時々雨の残念な予報ですが、GPV天気予報はわずかに希望ありと言っている!
さすがGPV先生!4時に起きてみると道路に水たまりがあるが月は雲越しに見えている。これなら5時半に起きる価値はあると目覚ましを掛けて再び寝ました。
目覚ましが鳴って5時半に起きるとやはり月が雲の間に見えており、早速C11を準備します。
外気温は28.8度もあり、汗が出てくる。
グリマルディ クレーターちょい下あたりに土星が来るはずと目星をつけて、そこから月1つ分くらい離れたあたりまでを念入りに探してみるものの薄雲越しでは土星が見つかりません。仕方がないので眼視は諦めてZWO ASI174MMに近赤外フィルターを入れてPCの画面を眺めて探してみます。
でも見つかりません。もう一度デコボコでピントを合わせて探してみます。
約3分前(6時24分49秒)見えないがこのあたりにいるはずととりあえず100フレーム撮っておきます。
処理してみるとわずかに本体が見えてきました。
潜入の2分ほど前にやっと薄いクラゲのような丸い土星がPCの画面に見えてきました。ゲイン・シャッター・ガンマを弄っても変わり映えせずとりあえず録画。100フレームほどで1度止めて、次はそのまま潜入まで録画を続けようと思ったら画面から消えたのでストップ。
こちらは約2分前の6時25分42秒です。残念ながらこの後は見えることはありませんでした。
しかしそのストップした動画も処理をしたら土星が出てきました。
これはまさに第1接食1分前くらいの位置です(6時26分25秒)
もう少し先まで動画はありましたが、月を隠すほどの雲が押し寄せてきていて、正真正銘これが土星が見えていた最後でした。
空を見ると月もどこにいるのかわからないほどでした。
その10分後には晴れ間にぽっかりと月が見えてきました。こんなもんですよね~。
どんどん雲が増えてきているので、1時間後の出現は諦めて撤収です。
さぁ着替えて歯磨いて仕事に行こう!
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