梅雨の晴れ間になった6月16日、中国の宇宙ステーション「天宮」が天頂付近を通過する予報が出ていました。
最高通過点は仰角79度、距離394㎞と好条件。しかも梅雨の晴れ間はおそらくは気流が良いのでチャンスです。
帰宅早々ミューロンを準備して金星の雲の様子を撮影しながら望遠鏡を外気順応させます。
「天宮」の通過予定の20時12分までに金星でピントを合わせて、赤道儀から追跡用のタカハシTG-L経緯台に乗せ換えて見え始めるのを待ちます。
ミューロン180に電動フォーカサー、2倍バロー、ADC、フリップミラーを取り付け、その後ろにZWO ASI174MMが付いていてこれがいつものスタイル。
「天宮」が西南西の空から見え初め、ゆっくり高度を上げてきます。
40度を超えたあたりで録画をスタートし、望遠鏡のファインダーを覗いてクランプをフリーにして追跡開始。60度を超えたあたりから姿勢が苦しくなりはじめ、それと同時にスピードがどんどん上がっていきます。最高点あたりか~と思ったときにはファインダーの十字線に載せるのがかなり難しい。すぐにマンションの上階に隠れてしまうのでファインダーから目を離して見送ります。
PCの録画ボタンのSTOPを押した瞬間に「画角が小さい!」ことに気が付きました!やらかした~!!
金星でピントを合わせるときに金星が目いっぱい大きくなるようROIを切っていて、そのままにしていたようです。
記録された動画を見るとなんと45000フレームもありましたが、はたしてこんな小さな画角にどれほど写っているのやら。それでもPIPPで拾い出してみると想像以上に900フレームほど写っていました。
その900フレームのうち後半の450フレームほどを20FPSで動画にしてみました。
おそらく天頂を超えて東へ下っていく方が太陽電池パネルに日が当たってカッコ良い形になっているだろうと思いますが、私の自宅バルコニーではマンションの上階に遮られて東の空が見えないのがちょっと残念。
この中から良さそうなところ数枚を取り出してみました。
だんだん近付いてきて大きくなってきていますね。
そしてこの日はもう一つおもしろい予報がありました。
これは4日前の12日に打ち上げられたスターリンク衛星が数珠状に連なって「銀河鉄道」のように見えて通過していくものです。
北西の空で見え初め、北の空の22度と低いところ(北極星の下方)で地球の影に入って見えなくなります。とはいっても名古屋の明るい空では肉眼で見えるはずもなく双眼鏡とカメラの力を借ります。
合わせて「SPACE STATION AR」で通過中の位置確認もします。
「おお~来た来た!」アプリが連なって通過していく様子を表示してくれます。
そのあたりを双眼鏡とカメラのモニターで探しますが、見つかりません。
ぞろぞろと連なって出てきますが「んん~やっぱりダメか~?」
そして数分後には最後尾が通過していきますが、やはり見つからず。
茶臼山やひるがのに遠征している仲間にも情報は流しましたが見えたとの返事はありませんでした。
どこかの位置でフレアが起これば見えたかもしれませんが、無謀な挑戦だったようです。
もっと高い位置を通過するときに期待しましょう。
梅雨の晴れ間の「快星」ホントは主砲で遠征がしたかったのですが、いろいろ用事があって出かけることができませんでした。次の新月期は素晴らしい星空に出会いに行きます!
コメント