さあ～準備OK！
2台の赤道儀に望遠鏡を4台、右側のEM-100赤道儀にはミューロン180に一眼レフで動画撮影とBORG71FLにZWO ASI290MMにIR850の赤外線フィルターを取り付けてモノクロで動画撮影。
左側のMark-X赤道儀にはFC-50にASI290MCでカラーの動画撮影（予備）とMiniBORG50に2.2倍コンパクトエクステンダーメタルとワイドスキャン10㎜で55倍で眼視で通過を確認します。
ISS国際宇宙ステーションの月面通過
14時11分45秒のISS通過まであと10分、「誰もしゃべりかけてくるなよ～」と願いながら呼吸を整えて待ちます。
3分前からiPhoneで時報を鳴らし、1分前に一眼レフとPC2台の録画をスタートし、私はアイピースを覗きながら時報を聞いています。
こちらがミューロン180と一眼レフで時報入りの動画です。
ISS国際宇宙ステーションが右下から左上に向かって飛んでいくのが見えましたでしょうか？
赤外線で撮ったものを3倍スローモーションで再生してみましょう～
ISSの青空の中での月面通過や金星面通過は過去に何度か経験はあってパールホワイトに美しく輝くISS国際宇宙ステーションが印象的です。今回も「おお～来た来た」と思った瞬間に通過していきましたが、いつも通りパールホワイトに美しく輝いていました。
その様子を比較明合成して1枚の写真にするとこのように通過経路がしっかりわかります。
CSS中国宇宙ステーション「天宮」の月面通過
ISS国際宇宙ステーションの通過の1時間後、CSS中国宇宙ステーション「天宮」が月面を通過します。「天宮」は昼間に見えるくらいの明るさになってきてはいますが、未だ見たことはありません。今回が昼間の「天宮」初挑戦です。かなり大きくなった「天宮」ですが、それでもISSと比べるとかなり小さい。そして430kmとかなり近いのでそれなりにスピードが見掛け上は速い！果たして見えるのかどうか。アイピースを7㎜に替えて80倍で小さい「天宮」を見つけ出す！！
ISSと同様に3分前から時報を鳴らし、1分前から録画を開始、アイピースを覗きながら時報をしっかり聞きます。
「午後3時12分30秒をお知らせいたします、ぷっぷっぷっぷーん」
「くるぞ～！！」
「午後3時12分40秒をお知らせいたします、ぷっぷっぷっぷーん」
「あれ？遅れてるか？目を離すわけにはいかない」
「午後3時12分50秒をお知らせいたします、ぷっぷっぷっぷーん」
「午後3時13分ちょうどをお知らせいたします、ぷっぷっぷっぷーん」
「午後3時13分10秒をお知らせいたします、ぷっぷっぷっぷーん」
「午後3時13分20秒をお知らせいたします、ぷっぷっぷっぷーん」
「午後3時13分30秒をお知らせいたします、ぷっぷっぷっぷーん」
「午後3時13分40秒をお知らせいたします、ぷっぷっぷっぷーん」
「ムムム～、おかしい～見逃したか？見えなかったのか？本当に通過したのか？」
通過したのかどうかすらわからないので、あと1分待って止めよう。そう決めて念のためアイピースを覗く。しかし通過はなく録画を止め、その場で再生して確認するも外の明るさの中でPCの画面を見てもわからない。そうこうしていると娘と奥様が歩いてくる姿が見えたので、帰ってからの確認ということにして片付けます。
帰宅後に確認した動画がこちらです。
見えました？超速い右上から左下へ通過していく「天宮」。
この動画を見てわかりましたが、「天宮」の通過時間が3秒ほど遅れていました。その分通過コースもやや南寄りになっているように思われます。
ではこちらも3倍スローモーションで。
いかがでしょう。
しかしこの大きさと速さは青空の中では見えないんですね。それをちゃんと記録してくれるカメラ様は良い仕事をしてくれています。
同様にこちらも比較明合成をしてみます。
成果（月面交差点）
ISSと天宮の比較明合成の通過経路を1枚に重ねたものがこちらです。カラーとモノクロの赤外線のものです。
同じ日にわずか1時間の差で2つの宇宙ステーションが月面を通過したのは大変稀なことであり、しかもどちらも形がわかる程度の距離での通過でした。
ISS国際宇宙ステーションがCSS中国宇宙ステーション「天宮」に比べてかなり大きいことが良くわかります。
この写真を見ると、イメージ的には宇宙の交差点のような感じがします。それぞれが通過する時間は1時間の差があり、ISSより100kmも手前を「天宮」が通過しています。よってこの交差点では交通事故は起きませんね（笑）
こんなニュース記事をちょうど見ました。
現在運用中の人工衛星は約1000機あり運用停止になったものを含めると約5000機が地球を周回しているようです。そこへ最近ではスペースX社のスターリンクが現在約4000機加わり、最終的には42000機が地球の周りに配置されるのだとか。それらがハッブル宇宙望遠鏡の写真に写り込むのだとか。
もしかしたら未来の宇宙には宇宙交差点がたくさんあるのかも。そしてそこで事故は起こらないでほしいものです。
この日が雲一つない絶好の好天だったことに感謝。
最後に満開の桜を眺めて帰ろう。
コメント