皆既月食と天王星食(前編)

天王星
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月食とは地球の影に月が入って欠けて見える、またが月が全部影に入って赤くぼんやりした月が見える皆既月食があります。
2022年11月8日は満月が18時9分に欠けはじめ19時16分には皆既になり、20時42分には皆既が終わり光が戻り始め19時49分には満月に戻る皆既月食です。
そしてこれが超レアな現象で、その皆既中の暗く赤い月に天王星が隠される天王星食(正確には掩蔽という)が起こります。
5.7等星の天王星は明るい月の横では双眼鏡でも見つけるのは困難ですが、光を失ったぼんやりした月であれば、遠いために小さくしか見えない天王星ですが面積があるので徐々に月に隠されていく様子が観測できます。そんな見ても楽しい絶好のチャンスです。

今回のこの月食でやりたいことは、
欠け際が青く見えるターコイズフリンジを眼視で見る。
皆既中の暗くなった空で天の川を見て写真に撮る。
地球の影の大きさを写し出す。
天王星の月による掩蔽(えんぺい)を動画で撮る。

やりたいことは盛りだくさんであわあわしてどれも失敗する可能性もありますが、とりあえず機材を総動員して準備します。

赤道儀はEM-100とポラリエ、鏡筒はミューロン180とBORG71FL、眼視用にSV-BONYフィールドスコープ、一眼レフ2台、ミラーレス1台、CMOSカメラ1台、PC1台、などなどを積み込み、ホームの旭高原元気村へ向かいます。気ままに星空観望仲間7人が集う予定です。

月食でも45㎝ドブソニアンが持ち込まれるのが気まま流!

日が沈むと反対側から月が昇ってきます。
満月が東の空に出てきたところから11㎜のレンズを取り付けたEOS80Dが1分間隔で撮影スタート。
わかりやすくするために5分間隔にして、部分月食が終わった22時の満月を背景と星空を出すために露光時間を長くしたものを追加するとこのように月食の全工程が1枚になります。

ターコイズフリンジ

そしてターコイズフリンジは欠け際が青っぽく見えるもので、写真では非常に難しくカラー調整してやっとのことでこの程度。

皆既が終わって光が入ってくるところで光と影の間が青っぽく見えます。
これを45㎝ドブで見るとそれはそれは美しく、白い光から青くなりオレンジから濃い赤に変わっていくグラデーションが素晴らしいです。
わざわざ三重県からドブを持ってきてくれたIさんのおかげでこんな美しい月食を見ることができました。上の写真はカラー調整してありますが、こちらは45㎝ドブをiPhone手持ちコリメートで撮ったままです。さすがにここまで青くは見えませんでしたが美しさはまさにこんな感じでした。

皆既月食中の暗くなった空で天の川を見て写真に撮る

皆既が始まる前の19時には月がわずかに光っているだけで、足元が見えないほど一気に暗くなりすでに天の川が見えていました。

中央右下のオレンジ色の球が皆既中の月でその下におうし座が見えます。そのおうし座に角のあたりから左上にかけて天の川が見えています。肉眼でもカシオペア座あたりからはくちょう座に流れる天の川ははっきり見えていました。そこから西は豊田・名古屋の光害に溶け込んでいました。
右上に光っているのは木星です。
後編では地球の影と天王星の掩蔽についてまとめます。

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