銀河鉄道の正体はアメリカ・スペースX社のスターリンク衛星です。これまでに何回打上げてどれほどの衛星が地球の周りに配備されているほかよくわかりませんが、2019年5月の最初の打ち上げ直後に旭高原元気村で見て驚きました。肉眼では「光る細い糸のようなもの」が飛んでいて、双眼鏡で見ると数十個の光が連なって移動していました。
何度か見てこれを動画で捉えるために明るいレンズが必要と思い、30㎜F1.4のレンズを購入しました。その後は天文学者や天体写真家から非難が集中し、光を反射しないように改良がされてきました。タイミングよく見えるチャンスもなく、久しく見ていませんでしたがISS友Mさんが「23日20時27分、東北東25度で北行で見えるかも」と予報を出していましたので、打ち上げ12時間後の密集状態を自宅で狙いました。
23日はクリアな空で名古屋市内でも見えそうな気がして、いるか座あたりを動画で撮影しながら双眼鏡で探しました。しかし光害の多い名古屋の空では見つけることができませんでした。仲間のNさんがラインで「肉眼でも見えた」と連絡があり、やはり暗い空なら見えるのかとガッカリ。
そしてHeavens-Aboveで24日の予報が出ました。
ケフェウス座あたりで見え始め、北へ沈んでいく予報です。
雲は多いが晴れている、名古屋市内では昨日同様に難しいかもしれないので、カメラ3台と双眼鏡を持ってホームの元気村へ向かいます。通過40分前に現地到着し機材をセット。
三脚を4つ立てて、1つは双眼鏡、3つは3台のカメラです。
ソニーα6300に30㎜F1.4、ISO40000で動画撮影、キャノンEOS80Dに200㎜F2.8、ISO12800でこれも動画撮影、キャノンKISS-X5に11㎜F2.8、ISO3200で8秒露光の連写。
今日は通過位置が特定できているので200㎜でも画角を通過するかも~とちょっと期待。
双眼鏡もケフェウス座に向けて待機します。
20:38頃から連写・動画撮影を開始し、双眼鏡を覗きます。
すると間もなく光の列が双眼鏡の視野に飛び込んできました「うぉ~来た来た!!」ちゃんとカメラがとらえていることを期待しながら、もう双眼鏡から目が離せません。
双眼鏡で追いかけながらチラッと目を上げて位置を確認するともうカシオペアのすぐ上あたりを「光った細い糸」が動いていきます「やっぱり肉眼で見える!!Nさんの言ったとおりだ」と思いつつ双眼鏡に目を戻すとだんだん消えていきます。
真っ暗な夜空を駆けていく銀河鉄道の窓が光って見える様子を想像できてしまう光景です。
天体写真を撮っている方々からも大いに嫌われていますが、これを双眼鏡で見たら超楽しいと思うのは我々気ままに星空観望仲間の面々くらいですかね~。
その場で写っているかは確認せずに撤収して大急ぎでかえってPCで確認しました。
まずはKISS₋X5から。
これら10枚をつなぎ合わせて動画にしたものがこちらで、移動の様子がわかります。
また、比較明合成したものを記事頭のアイキャッチに使っています。
8秒露光の連写で10枚写っていたということは80秒しか見えていなかったということです。
ISSや流星のようにピシッとした光跡ではないのは、わずかに軌道の違う50機もの人工衛星が連なって移動しているためです。
続いて待望のα6300の動画を見てみましょう。右上から現れて左下へ銀河鉄道が走っていきます。
いかがですか?これ双眼鏡で見てたら楽しくないですか?
この動画から1枚を切り出してみました。
さて、最後はEOS80Dの200㎜望遠の動画です。
と、すごくワクワクして見たんですが~写っていませんでした(泣)少し画角がずれていたようです。
敗因はドットサイトファインダーを忘れたことにあります。向かう途中で気付いたんですが取りに戻る時間的余裕はなかったし、200㎜くらいなら~と軽く見ていました。
今晩も北極星近くを通る予報がでています。晴れていれば自宅で今度こそ捉えてみます。
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