この季節になると日没後には冬の天の川が見え、夜明け前にモクモクとした濃い夏の天の川が見えてきます。先月そんな夏の天の川を見ようと御前崎へ遠征しましたがPM2.5が酷くてわずかに写真に写った程度で全くみることができませんでした。また、御前崎あたりをあちこち走って空が暗くて水平線が見える場所を探しましたが、適当な場所がなく「やはり紀伊半島へ行かなければ!」と思っていました。
そして今回紀伊半島へ遠征しました。
13日土曜日は雨がやみ晴れてきましたが風が強く、スッキリ雲が取れないかもしれないと思い諦めました。
14日日曜日は朝からすっきり晴れ絶好の星見日和でした。翌日仕事ですが「行くしかないな~」と決断し、仲間に連絡をすると5人も集まりました。
新月期の真っ暗の空の下で45㎝ドブソニアンあり、双眼望遠鏡ありの贅沢な星見となりました。おかげでほとんどやったことのないカメラと撮影用の機材だけ持っていきましたが十分に楽しめました。
夏の天の川が昇ってくるのは午前2時前、それまでいろいろな天体を見たり、撮影したりして待ちます。
しかし明日のことを考えると撤収はどれだけ遅くとも3時!たまたま明日は直行で打ち合わせの予定だったので多少はゆっくりできますが、でも5時に帰って2時間は寝ないと。
M104 ソンブレロ銀河
到着してまず望遠鏡を向けたのはおとめ座にあるM104通称ソンブレロ。メキシコの帽子ソンブレロのような形に見えます。眼視でも暗黒帯はしっかり見えます。
M51 子持ち銀河
続いてりょうけん座の子持ち銀河へ向けました。2つの銀河がつながっているように見えることから子持ちと言われています。 この銀河も比較的明るいですが、空が暗いところでは渦を巻いた腕がぐるぐると見事に見えます。
NGC4565 ニードル銀河
かみのけ座のエッジオン銀河です。これは真横から見える位置にある銀河で、我々のいる天の川銀河も真横から見るとこんな形をしているそうです。 これも口径の大きい望遠鏡では写真のように素晴らしい見え味です。右にある小さなモヤっとしたのも遠い銀河です。
M101 回転花火銀河
おおくま座の北斗七星の柄の近くある淡い渦巻銀河です。これは上のエッジオンとは対照的に真上から見たフェイスオンです。空が暗ければ小型の望遠鏡でもモヤっとシミのように見えますが、45㎝ではしっかり渦を巻いた腕が見えてきます。
NGC4038・NGC4039 アンテナ銀河(触角銀河)
実はこれは衝撃的な銀河で、今まさに2つの銀河が衝突しています。私の写真ではアンテナ(触角)はわかりませんが、2つの銀河が衝突した結果2本の長いテール伸びていて昆虫の触角のように見えるそうです。未だ眼視では見えたことがありません。
2つの銀河がハート形に見えることから我々仲間内では「源氏パイ」の愛称で呼んでいます。(源氏パイって知ってますか?お菓子ですよ)
我々の住む天の川銀河と隣のアンドロメダ銀河もいずれこのように衝突・合体するらしいです。
NGC5128 ケンタウルスA 電波銀河
強力な電波を発する電波源とされるケンタウルスA電波銀河です。 オメガ星団から真上に望遠鏡を上げてくると視野に飛び込んできます。 低空なわりに良く見えます。
球体にぐるっと太い暗黒帯が取り巻いて強い電波を発する、なんだか不気味な存在に思えるのは私だけ?
M64 黒目銀河
かみのけ座にある有名な銀河です。望遠鏡でじっくり見ているとこちらを睨んでいるかのように見えてきます。
マルカリアンチェーン おとめ座銀河団
かみのけ座からおとめ座にかけて非常にたくさんの銀河があります。 その中でも明るい銀河が連なったところがあり、マルカリアンチェーンと呼ばれています。明るい2つの銀河がM84とM86です。銀河ほかにもたくさんの銀河が写っています。
このM84とM86を目だと思うと片方だけ眉毛がなくて困った顔に見えませんか?
そろそろ体力が限界ですので、続きはまたあした~。
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