「気ままに星空観望仲間」の方々に出会って一緒に星見をするようになった15年程前には25㎝ニュートンをEQ6赤道儀に乗せて使っていました。その頃はすでに気ままの中には30㎝~50㎝のドブはごろごろしており25㎝ではいささか力不足を感じておりました。 一時期は双眼望遠鏡にも走りましたが、やはり40㎝クラスの暴力的な集光力が欲しくて欲しくて、ついにSkyWatcherのGOTOドブソニアンが発売されすぐにシュミットさんで注文をしました。 うちに届いたダンボールの大きさ重さにビックリでしたが10年近く使っていると大きさはすっかり慣れてしまいます。
シュラウドとファン
買ってまず初めに必要になったのはトラス部分のシュラウドと主鏡のファンでした。
シュラウドは生地屋さんで黒のフリースを3mほど買ってきて円筒にし、上下を袋縫いをしてひもを通しました。トラスが3本のため3本木の棒を挟み込みシュラウドが6角形になるようにしてあります。
ファンはPC用の10㎝角を2個主鏡セルに付けました。
また、重い2インチアイピースを使うときは手首足首用のウエイトでバランスを調整します。
フィルタースイッチ
40㎝の集光力があるとフィルターの効果も絶大で、見えていなかったものが浮かび上がってきます。
ただアイピースを変えるたびにねじ込むのは面倒だし、落とす可能性もあるのでフィルタースライダーは必須です。私が使っているのはデンクマイヤーのフィルタースイッチで、これに国際光器の2インチクリックロックを組み合わせました。これらを接眼部に取り付けるため、コスモ工房さんでアダプターを2個作ってもらいましたが、簡単な図面を書くだけで大体理解していただけて安価に作っていただけました。
フィルタースイッチは2枚しか装着できませんが、のぞきながらでもスライドでき見え方の比較が容易にできます。私はUHC(テレビューネビュスター)とOⅢ(バーダー)を常に装着しています。別に外して付け替えるだけですがHβとムーン&スカイグローがスライダー枠にはめて準備してあります。ただ、Hβは馬頭星雲専用というくらい使い道が少ないし、その場合には31.7アメリカンサイズのアイピースを使うことが多いのでアメリカンサイズのHβ(ルミコン)を使ってしまいます。なので接眼部に常に装着されているのはUHCとOⅢで十分かと思います。
テルラドファインダーは必須
ドブソニアンを使う場合は等倍のサイトファインダーが必須かと思います。私の場合は自動導入もありますので頻繁に使うわけではありませんが、複数人で見ている場合は私が自動で導入し、ほかの手動のドブの方が場所の確認で見る場合にも便利です。私はテルラドを使っています。足を高くし顔が鏡筒に触れるのを防ぎ、スクリーンにカバーを付け夜露を防いでいます。どちらもあればありがたい付属品です。
光軸調整ねじと斜鏡ヒーター
ニュートン式望遠鏡は車で運べば必ず光軸がズレ、使うたびに光軸調整が必要になります。なので少しでも簡単にできるよう3本の調整ねじを指で回せるローレットネジに替えてあります。また、湿度の高い日には主鏡より先に斜鏡がくもりますので斜鏡にはヒーターがつけてあります。これは斜鏡のホルダー部分に巻いてありますがこれでも効果はあります。主鏡がくもってしまったらもうドライヤーで温風を当てるしかありません。 まれに主鏡に夜露が流れるほどついてしまうことがありますが、その場合はもうあきらめですね~!
フード
フードはキャンプで使う銀マットの内側に植毛紙を貼ってマジックテープで丸めて止めるようにしています。明るい照明などがある場合に接眼部に光が当たるのを防ぎ、斜鏡のくもり防止にも多少の効果があるのかと思います。
SkyWatcherのドブソニアンは斜め上に接眼部が来るようになっておりますが、どうもそれが嫌で真横からのぞけるようにトップリングを回転させてあります。
以上のように、私が使いやすいように手が加えてあります。 ただ、このドブソニアンは架台が50㎏、鏡筒が35㎏と重いのが難です。 でも40㎝の暴力的な集光力と星図をみてスターホッピングが必要のない超便利な自動導入が魅力の望遠鏡です。
このように架台部分は4つに分割し、鏡筒は後部座席にゴロンと積みます。
コメント
2週間程前 元気村でお世話になりました。ドプソニアン初心者の者です。私も名東区在住です。あれからメシエ天体を見まくり、今はおとめ座銀河団にハマっています。光軸調整がカベです。またお会いすることがありましたら宜しくお願いします。
こんばんは!おとめ座銀河団は同定するのが難しいほど銀河があふれていますから、見ている分には楽しいですよね!
明日はリュウグウとはやぶさ2を捉えるために元気村へ行きます。
よろしければお越しくださいね~。
有難う御座います、明日天気良ければ行きます。宜しくお願いします。早くも40cmが欲しくなりました。
TAIZO様、
光害地の東京都下で眼視がままならず撮影ばかりをしておりましたが この数年やはり眼視観望をしたく30㎝のトラベルドブで遠征しその魅力にとりつかれている者です。このたび、ゆえあってもう中古のSW Dob16を手に入れました。(GOTOではありませんがSW Starsense Explorerを移植して導入に使っています。)
さすがの口径力と感銘しつつも大きいため使い勝手は今一つと感じておりました。
TAIZOさんのHPに出会い、ファインダーの付け替えやトップリングを回転というわざに”そういう手もあったか!”と気づかされました。工夫と試行力に感銘、感謝です。
早速試してみようと思いますが、特に後者ではなにかデメリットや注意事項などがあったでしょうか。よろしければ教えてください。
KITさん ようこそお越しくださいました。
ドブは真横から覗くものという固定観念がありまして~斜め上から覗くことに違和感がありました。低空は良いかもしれませんが天頂付近は特に使い辛いために回転させましたが、デメリットはないと思います。
主鏡と斜鏡に中心点は打ってありますでしょうか?
斜鏡は確か7.5㎜程オフセットしていたように思います。
私の仲間にもニンジャ400にStarsense Explorerを移植している方がいますが、導入精度は素晴らしいですね!
Taizoさん、予期せぬ迅速なご返答ありがとうございます。
そうですか!特にデメリットがないなら早速やってみます。
ただ…回転後は普通に光軸調整をすれば良いかと思ったのですが どうも斜鏡の位置の調整も必要なようですね、そこだけがやや懸念です。
その光軸調整への斜鏡のネジ交換も便利なアイデアですね。
長さが微妙でしょうから合うネジを探ってみたく思います。
様々なヒントをありがとうございます!
(Starsenseは…本当にそうですね。これまでのエンコーダーや傾斜計を組み込んでの苦労がなんだったのかと思います。移植の工夫や天頂部の精度に改善の余地はあるものの架台の設置精度も調整や電源も不要で気軽に天体導入が可能になったのはありがたいことと感じています。)
変身が遅くなり申し訳ありません。
コメントがあったというメールがどうも迷惑メールフォルダーに入ってしまい、気が付かないことが多々ありまして~(^^;)
光軸調整は私は斜鏡を合わせてから主鏡をあわせ~という順で合わせています。
斜鏡の調整ネジは指で回せるほうが力加減がわかりやすく簡単で良いと思います。
Taizoさん、トップリングの回転と斜鏡ねじの交換、ともにやってみました。
結果、観望も調整もとても楽になりました。素晴らしい秘訣をありがとうございます!
双眼観望が好きなのでたいへん覗きやすくなりました。(当機は伸縮で光路長が変えられ双眼装置に最適ですね。)
あと、私の場合、架台の組み立てのネジが数と回転量が多く面倒だったので、六角ねじに変えたうえで充電式の電動レンチで締めるようにしました。一つのネジあたり数秒で終えられるので組み立て・分解が素早く、楽になって良いです。ご検討済みかもしれませんがお礼かたがたご参考まで。
多少なりともお役に立っていれば幸いでした。
双眼装置を使い場合は特に水平方向で覗かないと不便ですね~私も一時期デンクマイアを使っていました。
あと使っていると斜鏡セルに光軸調整の押しネジの跡がついてしまいます。
だんだんそのへこみが悪さをするようになりますので、そこに確かφ50㎜の厚めのステンレスワッシャーを入れてあります。
架台の組み立て、その手がありましたか~。
ただ、パーチクルボードにナットが埋め込まれているだけなので力加減が重要ですね。
ありがとうございます。
以前アドバイスを頂いたKITです。
いろいろ持ち運んで力が加わったせいかDob16の伸縮がとてもきつくなってきました。冷えた晩の組み立て時の延伸やそのあとの撤収時の短縮に苦労します。シリコンなどの潤滑も慎重に試してみましたがあまり効果はなく、過度につけるのも良くないと思い思案しています。変形があるのかもしれません。
Taizoさんはそんな状況にはなりませんか。もし、ご経験があり良い対策アイデアなどをお持ちであれば教えていただきたく。
こんにちは!
それありますよね、私は伸縮のバーを持って積み下ろしをするのでそれが原因かも~と思っていました。
私はストッパーネジをゆるゆるにしてCRC556を吹き付けています。
それで多少は改善していますが、根本的にはダメですよね。
この構造と重さを考えると無理があるのでしょう~以前は鏡筒にベルトを2本巻いてそこを持つようにしていましたが、どうも持ち辛くやめてしまいました。
Taizoさん、早速のご返答ありがとうございます!
やっぱりですか~。様々に検索してもなかったので自分だけかと思っていたのですがアリアリなんですね。あの伸縮バーは”良い持ち手”になってしまいますから。米国SW社のカスタマサービスにも問い合わせしているのですが当面CR565で頑張ります。
PS:先日、GoTo架台のみを手に入れ、私も電動化しました。便利ではありますが手動の軽快さも捨てがたいです。耳軸の交換で幅が広がるため容易に載せ替えできないのがもったいないものす。Taizoさんの自作架台の意味をいまさらながらに実感です。
なるほど!耳軸を替えることによって幅が変るのはなんだかちょっと~ですね。両方使えると便利ですよね。
初めまして。
@くろくま と申します。
勝手ながらtaizoさんのISS、惑星等素晴らしい写真を日ごろツイートで拝見しております。
ドブソニアンの購入を検討していて、こちらのページに辿りつきました。
ドブソニアンの購入は初めてです。
Sky WatcherのDOB 16 GOTOを考えたもののスペック見た時、鏡筒、架台の重さが気になり、シュミットの店舗へ行き持ってみたところ、16インチももてないことはないけど、持ちづらさもありなかなか厳しいかもと思いました。
あと架台は分割できるのですね。
体格と持ち方の慣れもあると思いますが、taizoさんは40cmドブ、お一人で持ち出されることもありますか?
ちなみに私は175cm、80Kg お腹はそれほどでてませんが、それなりに横幅ある体格です。
くろくまさん 初めまして~ようこそ。
Twitterをご覧いただきありがとうございます。
私の周りには66㎝、60㎝、50㎝などがいて40㎝は中口径と言われるほどです。
どの口径の方々も皆さん一人で運用されています。
私も一人で積み下ろしをしています。
私は身長165㎝で、車はルノーカングーですが全く問題はありません。
鏡筒を縮めた状態で後部座席にゴロンとのせ、伸縮バーと車のヘッドレストをタイダウンで念のために固定しています。
架台はご存知の通り4つに分解し、荷台に重ねて積みます。
一番重いのは鏡筒で35㎏程ですが、片手で伸縮バーをつかみ、もう片手で底面を持ち膝に乗せるような形で積み下ろしすればさほど問題はないかと思います。
主鏡が縁へ行くほど薄くなるカセグレンのようなミラーで中央1点で固定していますので、それも軽量化には役立っています。
導入精度は100倍でほぼ視野に入ってきますので十分に使えると思います。
ご検討の参考になれば幸いです。
うわ〜、お返事早速ありがとうございます!
40cmで中口径!!しかも66㎝、60㎝、50cmもお一人で運用。すごい世界です。
ただ、そうなんですね。イケそうな気がしてきました。車に乗せての固定方法や持ち方まで詳細にありがとうございます。
また店舗へ伺い確認しようと思いますが、とてもとても参考になりました。
体力と視力が衰える前に、大口径?のドブソニアンで銀河団ほか見てみたいと思います。
こんばんは~!
お近くならいろいろ覗き比べて、扱いの良し悪しも比較できるんですが。
私が知る中では笠井トレーディングさんで扱っていたNinja400が一番だったのは間違いないかと思います。
販売が終了してしまったのが惜しまれます。
30㎝の壁を超えると一気に見えるものが違ってくるので楽しさ間違いなしです。
アイピースやフィルターなどの情報もいろいろありますので、何かあればお尋ねくださいね~。
おはようございます。
当方都内なのでなんとなくわかるTaizoさんのいらっしゃる場所からは距離ありそうです。
Taizoさん、ほかネットで拝見したすごい方は皆さんNinjaシリーズを絶賛されるので、それだけの機種だったのですね。
ヤフオクにNinja320のパーツを使った30cmのドブソニアンが出てました。(最後の1台らしく)
何でもそうかもしれませんが、周辺パーツ含め、楽しみはつきそうにありません。悩みもですが…
はい。もしご相談したいことありましたら、またすみません。
来ちゃうかもしれません。ご丁寧にありがとうございます。
以前、Sky WatcherのDOBのドブソニアンについて質問した @くろくま です。
Sky Watcherではないのですが、たまたま売りに出ていたこともあり、先日中古のNinja 320を入手しました。Ninjaの評判がよいのに加え、軽くて最初のドブとしては扱いやすいのでは?と。
反射自体始めてなので光軸調整に慣れ、初の30cm以上を楽しみたいと思います。アイピースはまだ未入手ですが、賞月観星さんのUWAあたりを考えています。
また、先日開催された DSP 2023で 66cm、40cmをのぞかせていただく機会がありました。天候はいまいちで薄雲出る中僅かな時間でしたが、巨大さに圧倒されました。
こんにちは!
ヒロノさんの66㎝を覗かれましたか~ビックリでしょ~。
私の40㎝と網状星雲とかを見比べても次元の違いを感じ、もはや口径の暴力と言えますよね。
我々気ままに星空観望仲間の中でも5人ほどNinja320の所有者がいます。
その方々が言われるのはNinjaは光軸が狂いにくく、一番使い勝手の良いドブソニアンだとか。
低倍率の重いアイピースを使う場合にバランスウエイトが必要になったり、導入のしやすい等倍ファインダーがあると便利かもしれませんね。
私は視野の周辺はあまり気にならないので必要としませんが、コマコレを常用される方もいらっしゃいます。
30㎝の壁を突き抜けた先にある素晴らしい世界を堪能してくださいね!!