先日Twitterで12時間の「北極星グルグル」を見掛けました。
かなり以前に天文雑誌で見て「やってみたいな~」と思ったことがありましたがすっかり忘れていました。
北極星グルグルとは、北極星を中心に星は時間で15度動くのでその光跡を写します。
昔のフイルムカメラであればシャッターを開きっ放しにしておけばこんな感じに写りましたが、最近のデジタルカメラでは真っ白になってしまいます。
よって、1分露光を60回繰り返し、あとはソフトを使って比較明合成をするとこんな写真になります。
ただこれではおもしろくない! 星がぐるっと180度半周していないと!
12時間カメラに頑張ってもらわないと!!
ただ普通に三脚にカメラを乗せて1分露光を連写しても途中でバッテリー切れになることは間違いありません。であれば、バッテリーが2本入るバッテリーグリップが手元にあるので、これでどこまで行けるのかを試してみましょう。
名古屋市内で光害真っただ中なので、ISO200・F9に絞りスターリーナイトと言われる多少の光害カットフィルターを装着して1分露光連写をすっかり暗くなった18時から始めます。朝の6時まで連写できていれば12時間の半周が成功です。
結果はこちら。
わはは~357枚=357分と6時間弱でカメラがギブアップしていたようで、1/4周でした。
バッテリー2本でもこれだけしかもたないということは、外部から電源をカメラに供給しないといけません。
キャノン純正の電源カプラーがあるようで、これがあれば12時間も夢ではなさそう。
また、北極星の反対側の南の空を撮るとこうなります。
空の低いところ~鉄塔の後ろを星が通過しています。
これは「南極老人星」と言われるりゅうこつ座の「カノープス」です。カノープスは全天一の明るさを誇るおおいぬ座のシリウスに次ぐ2番目の明るさの恒星です。低空のために黄色っぽく見えていますが、南半球で見ると白く美しく輝く星です。
そしてこの写真を見ていると星の光跡が下向きにカーブしており地平線の下に「天の南極」があるのがわかりますね。
ではその「天の南極」をお見せしましょう。
見てお分かりいただけるとおもいますが天の南極には目印になる「南極星」はありません、よって赤道儀をセットするときには少し苦労します。
この写真の天の南極の上の方に明るい星が2つありますが、これがケンタウルス座のαとβです。その右に南十字があり、その先にはピンク色っぽい光跡がイータカリーナです。
また、天の南極の真下の左右にモヤっとしたものがありますが、右が大マゼラン、左が小マゼランです。
実はこの景色は小学生の私が星を始めたころからのあこがれ続けた南天の景色です。さそり座や天の川の濃い部分が頭のてっぺんにくるなんとも素晴らしい眺めです。初めて眺めた時には涙が出るほど感動しました。
なんだかまた南へ行きたくなってしまいそうです!
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