SV-BONY SV230スーパーズームを試す 第3報

天体望遠鏡
スポンサーリンク

1月25日は新年初遠征ということで、我々のホームグランドの旭高原元気村へ出撃しました。
メンバーは御大Wさん、H先生、Iさん親子と昨年の開田高原・観望納めのともやまでご一緒いただいた新メンバーのNinja使いSさんの6名が集まりました。

私の目的はSV-BONYさんからお借りしているSV230スーパーズームをDeepSkyで試してみるのが今回の目的でした。
機材は主砲のSkyWatcher GOTO16(40㎝ドブソニアン)です。
いつもは12㎏もあるアイピースケースまるごと持っていくのですが、今回は潔く2本だけにました。

そしてこのSV230スーパーズームを接眼部に装着するとこんな感じです。

私が現地に到着して準備をしているといつもは1番乗りを決めている御大Wさんが珍しくゆっくり目に到着。 私の機材と並べてNinja400をセットされました。
これで同じ対象をサイドバイサイドで見ることができます。

暗くなってきたところで金星・木星・土星を眺め、シーイングが良いことを確認。
そしてM42オリオン大星雲を導入しSV230スーパーズームを20㎜(90倍)にして眺め、そのまま8㎜(225倍)までズームリングを回してみます。視野が広がっていくのに合わせてM42の中心部が拡大されてくるのは見ていてすごく気持ちが良い。何かこの星雲の中へ突っ込んでいくかのような感覚です。驚いたことにトラペジウムが5個見えており、6個目がチラチラと見えていました。

続いてM1かに星雲を導入、これも20㎜(90倍)から少しずつズームしていく。比較的淡いので14㎜(128倍)くらいが背景も暗くなりちょうど良い見え味。 御大WさんのNinja400にナグラー17㎜と見比べても視野の違いこそあれ、M1かに星雲自体の見え味は全く遜色なく見えていました。

NGC1535惑星状星雲 通称「クレオパトラの瞳」これもズームの威力は絶大で8㎜(225倍)になった時には内部構造が見えてくる。
IC418惑星状星雲 通称「南のまばたき」こちらは14㎜(128倍)程度が一番よく瞬いて見えた。一番よく見えるのはどのあたりか~とアイピースを差し替えて確認するのは大変な労力ですが、ズームだといとも簡単にベストな倍率を選択できます

M46散開星団 この中にあるNGC2438 惑星状星雲は20㎜(90倍)でも十分に見えていますが、それを中心にしてズームしていくと「これはズームの真骨頂!!」と言っても良いくらい、散開星団の星たちがワープして後ろに飛んでいくように見え、惑星状星雲が迫ってくる感じは何回でも体験したくなるほど素晴らしいです。そして視野周辺までビッシリある星は違和感を感じるようなひずみはありません。

ちょっとここらへんでカノープスが上がってくる時間なので丘の上までカノープスを見に行ってきます。
ちょうどカノープスのポイントに着いてカメラのピントをシリウスで合わせたときに、稜線の上にピョコっと飛び出してきました。いつも思うのは見えた瞬間はなぜあんなに強く光って見えるのだろう?

一番下の明るい線がカノープスですが、山の稜線に沿って上がっていき、山頂が越えられずに一度山に隠され、しばらくすると山の右側に出てくる様子が見えているかと思います。この間、約30分くらいです。本当はこのまま沈むまで撮っておきたいのですが、2時間この場に留まるわけにはいかないのでこのあたらで終了です。

さて、観望場所に戻ると、しし座が東の空にあがってきています。
M65・M66・NGC3628 の通称しし座トリプレットを見るにはもう一息倍率を下げたいし、視野の広さがないだけにM65・M66は同一視野に入るがトリプレットの並びを確認するのはさすがにどうしようもない。

M81・M82の並びも同様ですが、M82だけのズームの効果は素晴らしい。8㎜(225倍)で視野一杯になり、真ん中あたりの括れた感じが見えてくる。

そして新年初観望と言えば冷えた体にありがたい「アツアツのぜんざい」です。あんこ1㎏と餅1㎏を用意していき、6人ではちょっと多いか~と思ったところに星を見に来たという社会人1年目と大学院生という男女3人組がちょうどやってきました。「望遠鏡のぞきますか?」と声をかけいくつか見やすい天体を見てもらい、我々と一緒にぜんざいを食べ大変喜んで帰って行かれました。(残念ながら写真撮り忘れました)

休憩が終わると再び再開し、NGC4565 エッジオン銀河やM104ソンブレロ銀河は12㎜(150倍)一番見やすい感じがしました。

M3 球状星団こそズームの真価が発揮されます。20㎜(90倍)では小さすぎて中心部はつぶれてしまいますが、ズームリングをまわるたびに徐々に分解され、やはり8㎜(225倍)での眺めは素晴らしい。

いよいよオリオンとおおいぬが沈んでいきます。

時間は26時になり、気温も氷点下5度、風も夜露もなくこの上なく快適な観望ができました。
十分に満足し、撤収です。

今回はナグラータイプ4 22㎜は持っていきましたが、ほとんど使うことなくSV230スーパーズームを使い続けました。
単焦点アイピースを使っているときは接眼部に1本、上着の左右のポケットに1本ずつ入れておいて差し替えながら見ていて、その3本ではダメな場合はアイピースケースへ取りに行くというのが普段のスタイルです。
それに比べるとズームの場合はかなりの労力を使わずに済み、先にも書いたようにどのあたりの倍率が一番見やすいのかが瞬時にわかるのが最大のメリットでした。
御大Wさんが言うには「もうアイピースを買うことはないと思っていたけど、これはちょっとやばいかな?」、Iさんは「ボケるほどではないけど20㎜と8㎜でわずかにピントのズレがある気がする~」と言っていました。
20㎜にした時に見掛け視界は57度とのことですが、それほど狭い感じはしないし、それよりズームの快適さが際立ちました。
重いアイピースケース・何回でもアイピースを抜き差しする手間を考えるとSV230スーパーズームが魅力的に感じるのは私だけではなさそうでした。

Seestar S50のファーストライトだった新メンバーのSさんから最初の1枚をいただきました。

こちらも凄い時代になったと思わされました。
ナグラータイプ4 22㎜と同じような金額で、まあなんといろいろなことをやってくれちゃうんでしょう! Sさんは眼視で見たものをこのSeestar S50で記録しておくのだとか。

私は今回はこのオイルランタンの揺れる炎で癒されました。昔はガソリンやガスを燃料にした強烈に明るいランタンが正義と思っていましたが、この優しい光が今は好きです。

さて次回第4報では月でSV230スーパーズーム試してみます。

コメント

  1. 原田 秀司 より:

    初めまして。

    埼玉県在住で、新月期には群馬県の「妙義神社」と言うところに遠征しています。

    機材は、スカイウオッチャーGOTO-14オンリーでの観望ですが、これまで15年乗っていた3ナンバーのオデッセイを卒業し、年金生活を考慮して軽のホンダNBOXに換えました。

    軽のため排気量も小さいので、今までのように好きなだけの機材を積むと非力なエンジンでの走行がきびしいので、今回は遠征機材の1つ1つの「重量」を測定して、必要最低限の機材の重量を割り出しました。
    アイピースセットをとってもあれこれ入れると6㎏ほどになりましたが、SV230を使い始めてからは、これ1本と30㎜82度アイピース(広視野/網状星雲用)の2本だけにしました。

    おっしゃるとおり8㎜~20㎜1本だけで、たくさんのアイピースを差し替える手間が省けて、ズーム1本で一晩中じっくりと観望が楽しめます。

    これからも楽しい記事をお待ちしています。

    • Taizo より:

      はじめまして~Taizoです。
      ようこそお越しいただきました。
      そしてコメントありがとうございます。

      同じようにオデッセイからNバンにかえた~って方が知り合いにいました!
      少しでも積み荷は軽くしたいですよね。
      もうすでにお使いでしたか!! 今まではズームってあまり良いイメージは持っていなかったんですが、目から鱗でした。

      今後ともよろしくお願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました