落下してしまった「SkyWatcher-MAK127」

天体望遠鏡
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まず最初に望遠鏡メーカーさんにお願いです! 望遠鏡には落とさないためのハンドルは必需品です!!絶対に付けていただきたいです!!!
特にシュミカセとかマクカセは~。
以前SV-BONYさんからお借りした時もベルトを巻いて落とさないようにしていました。

さて、ここからが本題です。

先日、GP赤道儀とスカイセンサー2000PCを「気ままに星空観望仲間」の御大Kさんからお借りしたときに「MAK127落としちゃってさ~光軸グチャグチャでさ~」とおっしゃってました。
「光軸くらいなら私が見てみましょうか?」とその時は軽く答えました。
そして先日お借りしていたGP赤道儀とスカイセンサー2000PCをお返しに行ったときに、箱をぶら下げた御大Kさんが現れました。 すっかり忘れていましたが、ああ~そうだった落としたMAK127だ!
その場で箱から出してみたところ、主鏡側から落下したと思われるキズがありました。

この裏蓋部分が鏡筒から1㎜くらいズレて歪んでいて、ゴムパッキンがはみ出していました。
夕方の薄暗い中で見た感じは補正板というかメニスカスレンズと主鏡は大丈夫そうに見えました。「一度バラシてみて、その後光軸を合わせてみます。 落とさないようにハンドルは付けておきます」と応えてお預かりしました。

帰宅してまずは筒先から主鏡を覗いてみました。

赤で囲った部分に光の反射がズレて見え、これは最悪の場合は主鏡が割れてると思われました。
確認すべく主鏡側を外してみます。 しかし強打してズレているためビクともしません。仕方なく隙間にマイナスドライバーを差し込みこじってみると「バコッ!」と音がしてネジ山1つ飛び越えた感じで隙間が均等になり、まわるようになりました。

光がズレていた部分をよく見るとメッキが浮いて、細い線が中心に向かって入っていました。

最悪の状況でした。

ヒビがの部分で分断され、光が通っていません。
真っ二つにならないように紫外線硬化樹脂で固めておきます。

「ボンボンドロップシール」の流行りのおかげか、自分で作るためか100円均一ショップでもこの手の紫外線硬化樹脂が簡単に手に入ります。
念のためメッキが浮いたように見えている部分に黒い紙でマスクしてみます。

「気ままに星空観望仲間」の友人で30㎝ドブソニアンを自作したTさんの主鏡もこんな感じで一部分欠けていましたが、見え味にはあまり影響がなかったような気がしましたのでやってみました。側面に貼ってあるだけなのですぐに剥がすことは可能です。

続いて補正板というかメニスカスレンズも外して副鏡などの状態も念のため確認します。
ここまで開くカニ目レンチは持っていないので、メニスカスレンズを押さえているリングの穴にクギを差し込んで回します。固い場合は30㎝くらいの角材2本でクギを挟んで回します。

リングを外したら位置の目印を付けておきます。

指紋が付かないよう手袋をし、下から持ち上げるようにメニスカスレンズを外します。

メニスカスレンズ・副鏡には問題はなさそうです。ほこりなどブロアーで飛ばしておきます。

私がお預かりしている間に私が再び落とすといけないのでハンドルを取り付けます。
鏡筒にマスキングテープを貼り、ハンドルの穴位置の印をつけます。

自分の鏡筒であればこのまま穴を明けますが、万一ドリルが滑ってキズをつけるといけないので穴位置にワッシャーをテープで貼ります。 これでドリルの刃が滑ることをある程度は防ぐことができます。

4㎜ネジでハンドルを取り付けますので、4.5㎜のドリルで穴を明けます。
アリガタ部分を作業テーブルで挟んで固定します。

内側から4㎜のビスでハンドルを固定し、できあがり!

この鏡筒のアリガタ・ファインダー台座は鏡筒にネジを切って取り付けられていました。よって鏡筒内部にネジが飛び出していたり、ナットはありませんでした。

これで私ができることはやりました。
元通り組み付けて遠くの鉄塔を見てみます。
あれ?像がダブって見えるのはなんだろう? ヒビの影響か?
黒い紙でヒビのある側の筒先を隠してみるとダブりが消える。
黒い紙を外すとやはりダブって見える。
星を見るとどうなるんだろう~?

暗くなるのを待って金星に向けてみました。
なんじゃこりゃあ~! 金星がたくさん連なったイモムシのような形にみえる!
無段階に焦点がずれていっているのか、内像・外像・光軸どころじゃなさそう~!!

黒い紙で筒先を少しづつ覆ってみるとイモムシが細くなる!
半分覆って回転させると見え方が変わる。
主鏡のヒビのある側の半分だけで見ると金星が2個になる。 昼間見た象のダブりと同じことか!

わかりました!
やはりヒビを境にわずかに鏡面に段差ができて焦点が2つできてしまっているような気がします。
フル口径で見るとそれが連なって見えているのか~。
金星が見えなくなってしまったので、シリウスで見てみました。
これがフル口径です。

逆にヒビによる段差を隠すとなんとなくピントは合い、像は1つになりました。
しかし気持ちの良いキレのある星像ではないし、口径の半分を隠しているので暗くなってしまいます。

そして、これではなぁ~ちょっとかわいそうすぎる。

御大Kさんに結果報告「このまま使うのは難しく、主鏡を入れ替えるしか再生の方法はなさそうです」と残念な報告しました。

小さくて手軽に扱えそうなMAK127ですが、つかむには鏡筒が太く、滑って落としてしまう可能性は大です。タカハシのミューロンはファインダーがハンドルの役目を果たし、素晴らしく扱いやすい鏡筒になっています。 この鏡筒にもそんな工夫があるとこのような事故は未然に防ぐことができます。メーカーにはぜひともご検討いただきたいと思います。

また御大Kさんからの伝言です。
「もし私のように落下させてお釈迦にしてしまい、でも主鏡は生きているというかたがいらっしゃればぜひ主鏡をお譲りいただきたいです」
とのことでした。 私からもよろしくお願いいたします。

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