12月18日は朝から快晴で非常にクリアな空でした。
これはもうじっとしていられない!ホームの旭高原元気村へ出撃するしかない! と思い、グループlineに出撃予告をすると御大Wさんが「軽装で行きます!」と反応があり、これでボッチではないなとひと安心。
ただ明日も仕事があるので遅くても22時には撤収して帰らなければいけません。
機材は先日購入したノースマウント経緯台にSV-BONYからお借りしているマクストフカセグレン「MK127」を載せて、ノースマウント経緯台の導入や追尾のしやすさ、MK127鏡筒のDSO(Deep Sky Objects)の見え味を検証してみます。

17時半頃に現地に到着、良い天気です。
その後、御大Wさんが18㎝マクカセで登場、しばらくしてNさんがNinja400で駆けつけてくれました。

SV-BONY MK127にはファインダーを取り付けるためのアリミゾが2か所にあり、上側にセレストロンのスターセンスエクスプローラーの導入支援装置を装着し、下側のアリミゾに5㎝の光学ファインダーを取り付けました。
鏡筒に巻いてある黒いベルトは持ち手がなく落とすといけないので、簡易的に付けた落下防止のための取手替わりです。
接眼部には正立像で見たいので松本式EMSを取り付けてあります。このEMSの光路長は136㎜もありますが、MK127は問題なくピントが合います。
また、大きいものから小さいものまでいろいろな天体を見るためほぼすべての持ち合わせのアイピースをケースごと持ってきましたが、使ったのはSV230スーパーズーム(8㎜~20㎜ズーム)、ナグラータイプ4-22㎜、EWV32㎜の3本でした。
まずは土星をSV230スーパーズームで眺めます。 8㎜188倍より10㎜150倍くらいの方が見やすい感じがする。まだ輪は細くシュッとしていて本体に落ちている輪の影の方が太く見えていました。左に衛星タイタンが見え、右側にレアと思われる衛星が見えていました。土星本体のすぐ上に恒星がポツンと見えていました。調べると10.3等級の恒星でした。
それでは星雲・星団を見ていきます。
見たものはSeeStar S30で記録していきます。
まずはM27亜鈴状星雲 アイピースをナグラータイプ4-22㎜ 68倍で眺めます。

当然ながらこんなにきれいには見えません。広い視野の中に大きく白い雲状にモヤっとしており、形もなんとなく見えるくらいです。
ついでに全天で一番美しい二重星ともいわれるアルビレオも見ておきます。口径が小さいので色がはっきり見えて非常に美しい。
M39散開星団

メシエマラソンの時くらいしか見たことがない散開星団。視野の中にはこれほど暗い星は見えず、まばらに星が見えている程度ですが、散開星団らしく良い感じです。
M15球状星団

さすがに68倍では小さすぎるのでアイピースをSV230スーパーズームに取り替えてズームしていくと周辺部から星の粒々が見えてくる、が、そこまで。それ以上分解するのはちょっと厳しい。それでも十分に球状星団らしく見える。
続いてM33銀河 アイピースをEWV32㎜ 47倍で探してみる。

全く見えませんでした。 ここ旭高原元気村の空では40㎝ドブソニアンでも銀河の中心部くらいしか見えないので、これは仕方がない。
M31アンドロメダ銀河

こちらは当然ですが良く見える。伴銀河M32・M110も見えている。
二重星団 アイピースをナグラータイプ4-22㎜に変更

写真ではオレンジ色の星が目立ちますが、ほとんど色はわからないが、2つの星の固まりが実に美しい。 やはり二重星団の美しさはこのアイピースに限る! 御大Kさんが命名の「タコ星団」もしっかり見えています。
M45プレアデス星団(すばる)

ナグラータイプ4-22㎜では全景が入らないのでEWV32㎜にアイピースを交換。プレアデス7姉妹が全員視野に入ってくる。メローペを包むガスが見えないかと期待しましたが、ちょっと無理でした。
M37散開星団

再びアイピースをナグラータイプ4-22㎜に戻してM37散開星団を眺めます。細かい粒の星が実に美しい。M36・M38もついでに美しい姿を眺めました。
M1かに星雲

この空とこの口径では難しいかと思いましたが、存在はわかりました。ただシミがあるようにしか見えず、佐渡島の形はわかりませんでした。 もう少し空が暗ければきっと見えるでしょう。
M78星雲

M78星雲と言えば我々の世代には言わずと知れた「ウルトラの星」ですね。
40㎝クラスで見ると御大Kさん曰く「毛玉」ですが、残念ながらやや滲んだ星が2つ見えている程度でした。
M42オリオン大星雲

アイピースをのぞいた瞬間「おお~美しい!」と声が出てしまいます! このM42は見る望遠鏡それぞれの大きさでそれぞれの見え方が実におもしろい。 写真ではピンク色ですが、じっと見ているとわからなくなってきますがパッと見は緑色に見えます。 以前双望会で主催者HさんのBIG-BINO 25㎝双眼望遠鏡で見た時には緑からエッジ部分が赤茶色に見えて驚きました。
M42のついでにリゲルを見てみます。自宅のセレストロンC-11ではなんの苦も無く見えるリゲルBがSV230スーパーズームでいろいろ倍率をかえながら見ても全然見えてこない。
おかしいなぁ~そんなに見え辛いものなのか?と隣の御大Wさんの18㎝マクカセで見せてもらうと「ああ、確かに見え辛いんだ!」MK127ではちょっと難しいのかも~と納得。
21時頃になって雲がかなり出てきたので、最後にM35散開星団を眺めました。この星団も粒が細かく非常に美しい。でもすぐ横にあるNGC 2158を探してみても見えてこない。
今日はNinja400できていたNさんにM35を見せてもらい、口径の暴力をモロに喰らった!
NGC 2158が完全に星の粒々に分離して見えていた!
でもこれが40㎝と12.7㎝の違いなんだとしっかり認識できました。
我々のホーム旭高原元気村の空です。

この写真は南東へ向けたカメラですが右半分が明るいのは名古屋・豊田の光害によるものです。
下の動画は18時頃から21時頃までの約3時間の空の様子です。
雲が多くなった21時に撤収しました。
今回SV-BONYさんのご好意で4か月もお借りしたMK127ですが、同等の鏡筒はSkyWatcherからも出ています。違いはMK127には2インチの接眼部が付属しているのと、ピントノブにマイクロフォーカサーを付属している点が大きな違いです。
2インチの広角アイピースを使っていましたが、視野がケラレている感じはしませんでした。(明るいところで使うとわかるのかもしれません)
マイクロフォーカサーは倍率が高くなるほどありがたく、必需品ですね。
ピントノブを回したときのミラーシフトもさほど気になるものでもありませんでした。
あとは段ボールを丸めた程度でも良いので、フードを持参されたほうが良いです。
全体的に見て小型の自動導入経緯台にも搭載可能な小ささ・軽さで、コンパクトにまとまっていて、必要な機能はすべて備えているこのMK127は眼視にはお勧めのコスパの高い望遠鏡かと思いました。
以下に過去の第1弾~第3弾のリンクを貼っておきます。






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