私が初めて天体望遠鏡(カートン6㎝屈折経緯台)を手に入れた半世紀ほど前は太陽を見るフィルターとしてツアイスサイズのアイピースの対物レンズ側にねじ込む「サングラス」が付属していました。
ニコンの8㎝屈折だけはアイピースのアイレンズ側に被せるものだったと思います。
いずれの場合も大変危険なもので対物レンズで集められた太陽光により結構な確率で割れてしまう代物でした。それがPL法施行により姿を消したと記憶しています。
今では対物レンズの前に取り付ける減光フィルターが一般的に使われています。ただそれでも太陽に望遠鏡や双眼鏡を向けるのは大変危険が伴いますので十分な知識と注意が必要です。
さて今回私はSV-BONYのSV229というソーラーフィルターを購入しました。



このようにアルミの枠にThousand Oaks社製のフィルターが装着されていて、3本のネジで望遠鏡にしっかり固定します。
太陽用の減光フィルターとしてはバーダープラネタリウム社製の「アストロソーラーフィルム」か Thousand Oaks社製のソーラーフィルターが一般的かと思います。どちらもシート状で販売されているものもあり、自分で枠を作って対物レンズの前に被せるものです。
そしてバーダープラネタリウムのものが太陽が白く見え、Thousand Oaksのものがオレンジ色に見えます。

左上が今回のSV229、右上が笠井トレーディング扱いの「SF-100ソーラーフィルター」、左下がかなり以前に国際光器で扱っていたThousand Oaks社製の金属メッキフィルターです。右下は Thousand Oaksのシート状のものをケンコーテクニカルホルダーに装着したものです。
右下の Thousand Oaksのシート状のものはアマゾンで販売されていますが、注意が必要です。
アイピースを通して見るとオレンジ色に見えますが、カラーのCMOSカメラで見ると紫色に写ります。おや?と思ってUV/IRカットフィルターを入れるとオレンジ色に写ります。もしかすると紫外線が漏れているのかもしれませんのでUV/IRカットフィルターは必須というか眼視には使えないと思ったほうが良さそうです。
今回のSV-BONY社製のSV229をSV503 102EDに取り付けてみました。


オレンジ色というより黄色のイメージです。

MC127L にも装着可能です。
こちらは左下のThousand Oaks社製の金属メッキフィルターを使ったオレンジ色の太陽です。

そしてこちらは右上のSF-100ソーラーフィルターでみた白い太陽のイメージです。

これでBORG45ED、BORG71FL、SV503-102EDまたはMC127L、TOA-130またはミューロン180の4台の望遠鏡が同時に使えるだけの太陽フィルターがそろいました。
これらは太陽黒点の観察はもちろん、むしろこれから太陽高度の高いISSやCSSの太陽面通過に活躍してくれるはずです。
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