アンタレスの食 2023.9.21.

9月21日はさそり座の1等星「アンタレス」が月齢6の月に隠される恒星食が見られる日でした。
アンタレスの食が見られるのは14年ぶり、夜間に見られるのは18年ぶりとのことです。
名古屋でのアンタレスの潜入は17時20分24秒、出現が18:46分48秒との予報が出ていました。
しかし天気予報は大雨の予報で絶望的です。
ちょうどこの日は娘が6カ月の孫を連れて新幹線で帰ってくるというので、名古屋駅に迎えに行くために休みをとっていました。14時頃に自宅に到着し、しばらくすると娘は友達と会うために出かけ、家内はジムへ出かけてしまい孫と二人きりで遊んでいました。16時前に孫はやっと昼寝をしてくれてやれやれ。
そして休憩をしていると、すっかり諦めていたのに外が明るくなっているのに気づき、窓の外を見ると雲越しに月が見えている！時計を見ると17時15分。
「ややや！これはワンチャンあるかも！！」

大急ぎで一番早く準備ができるZERO経緯台にビクセンの127㎜マクカセを載せ、アイピースは32㎜47倍で月の方向へ向けてみるが、雲に隠れて見えない。残念ながら潜入の予報時間を過ぎてしまいました～残念、潜入は確認できず。
その5分後くらいに再び月が見えてきた。

このまま天気が持ってくれれば出現は何とかなるかも～と淡い期待を持ちながら待ちます。幸い孫はおとなしくまだ寝ています「起きるなよ～」
18:00完全に雲から月が出てきました。

それでも黒い雲が流れてて来て小雨が降ったり、再び月が見えたりしています。時々雷も光っています。
小雨は降っているが、経緯台をやめてバルコニーに据え付けてあるアトラクス赤道儀に127㎜マクカセを載せることにしました。本当はC11でアンタレスBから出てくるところを高倍率で見たいところですが、この天気ではさすがにリスクが大きいのでマクカセで我慢です。それより何よりアンタレス出現のタイミングで雲から出ているのかどうか。

良し！準備完了！！同時に家内が帰ってきてもういつ孫が目を覚ましても大丈夫だ。
18時40分なんとも際どいが月は出ているし、西側に晴れ間がある。しかし小雨が降ってるし、カミナリも光っているヤバい天気だ。さぁ～どっちに転ぶ？？

よし、月が雲から出た。

18時44分になるのを待って録画開始！
「アンタレス出た！」PCの時計を見ると18時47分頃。　しばらくして録画停止～ありゃ！3000フレームになっていた。でもまあいいか、出現は記録できた。
その動画です。

Camera=QHY5III174C　Start=184429.368　End=184811.790
Frames captured=3000　FPS (avg.)=13　Shutter=18.41ms　Gain=145 (30%)

出てきた瞬間はこれです。

動画の中に記録されている時間を見ると18時46分53秒493となっていました。
予報と5秒ほどのズレがありましたが、これは名古屋の基準点と端にある我が家の差かもしれません。
その後アンタレスはみるみる月から離れていきます。
18時48分

18時50分

18時54分、出現から7分後にはこんなに離れてしまっています。

動画から切り出した約27秒間隔の写真を比較明合成してみました。アンタレスが動いているように見えてしまいますが、月が東へ動いています。その速さが上の動画でもこの写真でもわかると思います。

19時過ぎにはすっかり曇ってしまい、20時には土砂降りになり竜巻情報が出ていました。
青空の中でのアンタレスの潜入は確認できませんでしたが、出現が記録できて良かった～。
欲を言えばやっぱり高倍率で見てみたかったかな。