紀伊長島へ！（後編）

昨年2月の南伊勢以来か？久しぶりの暗い空での観望！20時半に到着し気が付けばすでに夜半過ぎ！！
楽しくて楽しくてどんどん時間が過ぎていきます。

NGC 5139　ω（オメガ）星団

低空がかなり霞んでいるせいか夜半を過ぎてもオメガ星団（肉眼で見える最大の球状星団）が見えてきません。その後1時過ぎにやっと見つけましたが想像よりはるか右方向に双眼鏡でなんとか見える程度でした。私が勝手に正面が南と思ってそこから左側をずっと双眼鏡で探していましたが、真南は想像より20度くらい右にありました。北極星はちゃんと見て極軸も合わせていましたが、方角の認識ができていませんでした。なれない場所ではしっかり確認しないといけませんね！
からす座の四角形の左の辺の延長線を目印に探すということもすっかり忘れていました。
望遠鏡で見るとモヤっとしているがやはり大きい！

M3 球状星団

りょうけん座にある球状星団M3、銀河がたくさんあるあたりにある星の大集団です。
小さな望遠鏡ではモヤっとした星雲状に見えますが大口径では粒粒の星が圧巻です。

M13 球状星団

ヘルクレス座にある北半球最大の球状星団です。オメガ星団と比べると規模こそ小さいですが非常に美しい姿です。明るさは肉眼でも見える明るさですが、いまだ見えたことはありません。双眼鏡で見れば存在は十分にわかります。

夏の天の川

そうこうしていると午前2時！撤収まで1時間の猶予しかありませんが、低空は霞んで「天の川の出」がわかりません。さそり座の上半身が見えているのでとりあえずはその左側に向けて写真を撮ってみました。

水平線上の赤い光の上にさそり座の上半身が見え、明るいオレンジ色の星がアンタレスです。
そのアンタレスの左下あたりから島影の上に赤っぽくモヤモヤが写りました！「天の川」です！！
それから約1時間後の午前3時かろうじて肉眼で天の川が見えてきました。撤収しながら最後の1枚がこちら。

天の川の中の赤い散光星雲が良くわかります。右の一番大きいのがM8干潟星雲、2つ斜めに並んだ左上がM16わし星雲、右下がM17オメガ星雲、そのすぐ右側の少し濃いところがバンビの横顔と言われる星の集団スタークラウドです。
白くモクモクとした天の川を求めてここまで来ましたが、ここで時間切れ撤収です。
あと1時間もすれば高度もあがりしっかり白く見えたでしょう！しかしこの低い位置で横たわった天の川が見たかったので、今回はこれで満足とします。さあ5時までに帰ってシャワーをして寝ます。

おまけ

天の川を撮影するためのワイドレンズを付けたカメラは、到着してから波打ち際で2分露光を90枚撮影したところでバッテリー切れで止まりました。ちょうど180分、3時間分の星の動きが撮れました。

これを1秒間あたり9枚、10秒の比較明合成の動画にするとこんなおもしろい動画になります。
左端やや下から右上に伸びていく黄色っぽい星はうしかい座のアークトゥールス、中央下の方から右上に伸びていく白い線はおとめ座のスピカです。

今回銀河と球状星団の撮影に使用した機材はビクセンR200SSと高橋製作所EM100赤道儀でした。

現地を出発し少し走ったところの気温は8度でした。ダウンコートも必要ないほどの暖かい観望地でした。