ニコン 五藤 高橋 ミザール ケンコー
40年~50年ほど前各社のフラッグシップだったであろう8㎝/F15の天体望遠鏡を5台(ニコン8㎝、五藤8㎝、ミザールカイザー、タカハシ8㎝セミアポ、ケンコー8㎝)集めて所有していました。
当時到底手が出せる代物でもなくカタログを眺めるだけの憧れの望遠鏡たちです。
そんな夢の望遠鏡たちが半世紀経過した今、あちこちから調達して見比べることがかないました。
ニコンの赤道儀も特徴的ですがやはり青い五藤Mark-Xにはかないません。またミザールカイザーの接眼部のヘリコイドのハンドルもたまらないカッコよさです。しかしどれも鏡筒は1200mmもあるし、しかもゴツイ木箱に入っているので場所をとって仕方がないので、40㎝ドブを買う時に保管場所の関係でニコンだけ残して4台を涙を呑んで新しい活躍の場に出しました。
アイキャッチの写真は双望会にニコンと五藤の2台の古スコで参加した時のものですが、ここでSide by Sideでこと座のダブルダブルスターを見比べ、わずかにニコンに分があるように感じました。五藤の鏡筒径が95mmに対してニコンの鏡筒径が100mmなのが有利に働いたのかもしれません。
ニコン8㎝/F15
5台の中から唯一残したニコンですが、鏡筒に目立つキズもなく木箱の上にニコンの大井製作所から名古屋のデパートに配送された送り状も貼られた当時の段ボールに入っていました。大切に使われていたものだと思われます。 このダンボールは軒の下に置いてありよれよれになってしまい処分しました。
木箱をあけるとデーンと鏡筒が横たわっています。
ほとんど使うことはないのですが、一応すぐにでも使えるように鏡筒バンドでアリガタが取り付けてあります。 また、この小さなファインダーが良く見え、なかなかのものです。
木箱の中にはニコンのロゴの入ったビニールやら乾燥剤まで当時のものが入っていて、これは大切に保管してあります。
続いて付属のアイピースです。
当然ながらツァイスサイズ24.5mmですが、オルソ7mm、ハイゲンス12.5mm・25mmと天頂プリズムが付属です。 当時のF15の長いアクロマートとハイゲンスの組み合わせが良いのか色収差も感じることなく非常に切れの良い月や惑星を見せてくれます。 ただ今どきのアイピースに慣れてしまうと昔のハイゲンスの小さい針の穴から覗くようなのは辛く、できればアダプターを作ってアメリカンサイズで使ってみたいと思います。
赤道儀を眺めてみます。
この極軸35度固定の形がでっぱりがなく何とも魅力的で美しい赤道儀だと思うのは私だけでしょうか。
しかし極軸合わせは水準器のメモリを見ながら三脚の開きによって調整するため非常に難しいものです。 私のこの赤道儀は水準器の液体が抜けてしまっているので、横に新たに取り付けた水準器で合わせる程度しかできなくなりました。
三脚も眺めてみます。
赤道儀と4本のねじで結合し、ここに本来はアイピースホルダーが取り付けられるはずですが残念ながらアイピースホルダーがありません。
藤井旭さんが白川観測所でこれと同じ望遠鏡をつかわれている白黒の写真が記憶に残っています。
こんな紹介記事を書いていたら「この望遠鏡にいつから星の光を通していないんだろうか?申し訳ないなぁ」と思えてきました。 近いうちに月と接近中の火星をこの子供のころの憧れだった望遠鏡で眺めてみよう。
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